サウジアラビア、テロリストへの資金援助

「サウジアラビアは、テロ組織に資金を提供しており、イランの近隣諸国の出身者の多くが、イランでテロ作戦を行うために雇われていることを示す多くの証拠が存在する」 イランのアラヴィ情報大臣は、14日水曜夜、こう語ると共に、イラン南東部スィースターン・バルーチェスターン州と西部のコルデスターン州で、テロ組織が破壊されたことを明らかにしました。

イランは何年も前からテロの標的にされてきました。そのため、テロとの真の戦いの必要性を十分に理解しています。8月30日にあたるイラン暦シャフリーヴァル月8日は、テロとの戦いの日とされています。

こうした中、テロ組織は近年、アメリカとサウジアラビアから資金や武器の援助を受け、イラク、シリア、アフガニスタンなどの地域諸国で多くの犯罪を行ってきました。今月7日の国会とイマームホメイニー廟に対するテロ攻撃で、17人が殉教、数十人が負傷した事件は、こうしたテロリストの動きの新たな形となっています。

テヘランのテロは、サウジアラビアによるテロ支援の数々の証拠やこれまでの経歴から、その非難の矛先をサウジアラビア政府に向けています。サウジアラビアのサルマン国防大臣は、少し前に外交専門誌フォーリンアフェアーズのインタビューで、地域の情勢不安の原因は、国境を超えたイデオロギー、混乱、地域に放たれたテロリズムにあるとし、はっきりとこのように語りました。

「現在の情勢不安をイラン国内に持ち込むべきだ」

このような発言は、サウジアラビアのイランに対する愚かで偏った狭い考え方を示しています。

サウジアラビアの政府高官は、前国王の死後、イランとの関係を悪化させてきました。このような関係の悪化は、まず、イランの周辺における安全保障上の脅威の拡大によって、その影響を明らかにしました。そして現在、テロの支援者たちは、それをイラン国内にまで広げようとしています。サウジアラビアの支配者たちは、このような動きによって、自分たちの色あせた政策や基盤の脆い独裁が、再び息を吹き返すことができると考えています。

サウジアラビアはこれまで、テロ組織に多くの資金援助を行ってきました。彼らは、レバノン、シリアやイラクで、地域の情勢不安の原因になっているＩＳＩＳなどのテロ組織に資金や武器を提供し、彼らを訓練しています。

サウジアラビア政府は、このような疑問を抱かせる行動により、地域や世界の安全と平和を脅かしています。地域やイランの情勢を悪化させるプロジェクトは、アメリカのトランプ大統領のサウジアラビア訪問の際のゴーサインによって始められました。テヘランのテロのあと、多くの国がテヘランに哀悼の意を示した中で、アメリカ政府が出した声明では、トランプ大統領が、この攻撃に関してイラン政府を非難し「テロ支援国は、自らが助長した悪の犠牲になるリスクがあると強調しておく」と語りました。

アメリカ・ミドルベリー大学の核問題の専門家であるジェフリー・ルイス氏は、この問題について次のように語っています。

「トランプ大統領は、イランをテロ支援で非難し、世界の注目を向けさせることで、イラン政府を協議の席につかせようとしているが、イランを孤立させるためのトランプ大統領の努力は、イランを怒らせるだけでなく、アメリカとそのヨーロッパの同盟国の関係も悪化させる可能性がある」

これと同じようなシナリオは、イランの反体制派テロ組織モナーフェギンに対するアメリカとサウジアラビアの直接支援によっても以前に実施されました。サウジアラビアのトゥルキー・ファイサル王子は、昨年7月、モナーフェギンとその支援者によるパリでの会合に出席し、イランに対するモナーフェギンの新たなプロジェクトを明らかにしました。

週刊誌インテリジェンス・レビューのジェフ・スタインバーグ編集長は、プレスＴＶのインタビューで、これについて次のように語っています。

「アメリカのギングリッジ元下院議長が、この会合の演説者の一人だったが、莫大な資金を受け取って、この会合に出席した」

モナーフェギンの支援者の一人で、アメリカ国家安全保障会議の元メンバーのレイモンド・タンター氏は、テロ支援者リストを外れるためのモナーフェギンの動きに関する著書を記し、次のように語っています。

「彼らは、アメリカの計画の推進を促すために、制裁や戦争よりも適した選択肢である」

これらのことから、サウジアラビアのテロ支援と、イランの情勢を悪化させようとするサウジアラビアの動きへのアメリカの同調は、単なる非難ではなく、サウジアラビアとアメリカの高官による明らかな立場表明や行動として見られている事実となっています。彼らにとって重要なのは、どのような手段によっても、目的を達成することで、それがたとえテロへの直接支援であってもです。テロは、明らかに、すべての人、ましてやテロの支援者にとっても脅威です。現在、テロ組織に対するダブルスタンダードの影響が、今まで以上に明らかになっており、もはや誰も勝者になれないような段階に至っているのです。