週刊イラン
この1週間に起こった主な出来事です。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、パレスチナ・イスラム抵抗運動のハマス政治局長からの最近の書簡に返答しました。
イラン、ロシア、トルコの3カ国によるシリア問題を巡る2度目の会合が開催されました。
アゼルバイジャンのバクーで、非同盟諸国がパレスチナ問題に関する声明を読み上げました。
非同盟諸国の会合にイランが積極的に出席しています。
アメリカが、核合意に反する政策を続けています。
ハニヤ政治局長は少し前、ハーメネイー師に書簡を送り、抵抗の砦であるガザの打倒、イスラエルに対する闘争の終結、地域の傀儡政権のシオニストとの国交正常化を目的とした、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムとパレスチナ人に対する覇権主義者の大きな陰謀のさまざまな側面に触れ、抵抗勢力へのハーメネイー師の指導とイラン国民の支援に感謝を述べました。
ハーメネイー師は、先週水曜、この書簡に返答し、パレスチナとその戦士たちを完全に支援する、イランの不変の立場を強調し、パレスチナ問題の解決法は、イスラム世界の抵抗と闘争のグループを強化し、占領政権とその支援者との闘争を拡大することだとしました。ハーメネイー師は、次のように強調しました。
「欺瞞的な占領政権との協議に向かうことは、許されない大きな過ちであり、パレスチナ人の勝利を遅らせ、この虐げられた人々に、損害以外の結果をもたらすことはない」
ハーメネイー師は、次のように語りました。
「イスラム共同体の大きな問題、地域の一部のアラブ諸国の裏切りと偽善、大悪魔アメリカに従う彼らの悪しき陰謀、パレスチナ人戦士の敵の裏切りや圧制に対する闘争など、ハニヤ政治局長の書簡で提起された問題は皆、まぎれもない事実であり、我々も認める事柄である。我々は、あなた方を全面的に支援することを自らの責務と考えている」
パレスチナの人々は、長年にわたり、シオニスト政権の占領下に置かれ、この侵略的な政権とその支援者たちに抵抗してきました。土地の日から42年を迎えた2週間前の金曜、数千人のパレスチナ人が、祖国帰還の権利を訴える平和的なデモを行い、ガザ地区の境界線付近に向かって行進していました。このデモは、シオニスト政権軍の襲撃を受けました。土地の日のパレスチナ人の行進は、1976年3月30日のパレスチナ領土占領に関するシオニスト政権の決定を思い起こさせるものであり、毎年、行われています。
シオニスト政権は、パレスチナ領土を占領し、そこにシオニスト入植地を建設することで、パレスチナ領土の地理的な構造を変更し、これらの地域をユダヤ化しようとしています。
アメリカ、イスラエル、サウジアラビアは、ISISやワッハーブ派などの偽りのグループを作り、イスラム教徒を互いに衝突させ、シオニスト政権の安全地帯を設けようとしています。イラン国会・国家安全保障外交政策委員会のブルージェルディ委員長は、シオニストの犯罪に対し、シオニスト政権は、アメリカの支援がなければ、犯罪を行うことはできないとし、次のように語りました。
「アメリカ大使館をベイトルモガッダス・エルサレムに移転するというトランプ大統領の決定は、シオニスト政権をますます大胆にした」
パレスチナ問題は、先週の非同盟諸国の会合の中心議題でもありました。
イランのザリーフ外務大臣は、イラン、トルコ、ロシアによるアンカラでの首脳会談の後、非同盟諸国の会合に出席するため、アゼルバイジャンのバクーに向かいました。
非同盟諸国の外相会合は、加盟120カ国、オブザーバー17カ国と10の国際機関の代表者、800人が出席し、持続可能な開発目標を達成するための世界の平和と安全の確立をテーマに、バクーで開催されました。
ザリーフ外相はこの会合で、シオニスト政権イスラエルの犯罪に対し、非同盟諸国が集団で対処する必要性を強調し、次のように語りました。
「この政権のあらゆる犯罪を許すことは、新たな一極主義のしるしであり、再び、世界の安全にとって、真の脅威になる」
ザリーフ外相は、ガザ地区のパレスチナ人の殺害に触れ、「現在、シオニスト政権の悪しき行いに関する国際的な調査は、すべての国の要求だ」と語りました。
イランは、現在のパレスチナ非占領地の状況は、集団の対応を必要としていると考えています。外交問題の専門家のハーニーザーデ氏は次のように語っています。
「イスラム国であるパレスチナは、1948年から、アメリカと西側諸国の支援を受けたシオニスト政権によって占領され、この占領者によって数多くの犯罪が行われてきた。そのため、パレスチナは、すべてのイスラム教徒とイスラム諸国の支援を必要としている」
サウジアラビアは、パレスチナ問題を忘れさせ、シオニスト政権と友好関係を築こうとしていますが、現在も、多くのアラブ諸国が、アメリカの圧力を理由に、シオニスト政権と密かな関係を築いています。
イラン、ロシア、トルコの大統領が、シリア問題に関する3者協議の新ラウンドを開始し、トルコのエルドアン大統領を主催者として、4日水曜、アンカラに集結しました。エルドアン大統領、ロシアのプーチン大統領、そしてイランのローハーニー大統領が出席したこの協議では、シリアの停戦、領土保全、平和的な解決法について話し合いが行われました。
アンカラの協議は、以前にアスタナ協議の一環として、昨年11月にロシアのソチで開催された話し合いを引き継いだものです。
イランは危機の当初から、シリア危機の解決に軍事的な方法を用いることは容認できないと強調し、それに基づいて、4項目の計画を提示しました。現在、シリア人同士の対話が形成され、シリア危機を平和的に解決するのに適した下地が整えられています。
イラン国会の国家安全保障外交政策委員会のベイギー委員は、シリア情勢に関するイラン、ロシア、トルコの3者協議を肯定的に評価し、「イラン、シリア、トルコ、ロシアの間には、地域のテロリストやISISに対抗する上での非常に強力で合法的な調和が存在する」と語りました。
イランのハータミー国防軍需大臣は、先週水曜、モスクワ安全保障会議で、シリア危機の解決における、共通の政策のイニシアチブを強調し、次のように語りました。
「イランは、他国に対するあらゆる攻撃に反対しており、それらの国の主権と領土保全の尊重を必須の事柄と見なしている。そのため、地域の協力により、イエメンをはじめとする地域の抑圧された国の人々の苦痛を終わらせる用意がある」
アメリカのトランプ大統領による核合意実施の妨害は、イランのミサイル能力への懸念を口実に、続けられています。政治評論家や専門家は、核合意に混乱が生じれば、その影響は、国際社会全体にとって、深刻なものになると考えています。
最近、アメリカの政治、軍事関係者100人以上が声明の中で、アメリカの核合意順守の継続を訴え、「アメリカの核合意離脱は、アメリカの国家安全保障上の目的のいずれにも貢献することにはならず、アメリカが政治的な信用を失うだけだ」としました。
核合意は、国際レベルの合意であり、国連安保理の決議でも認められ、地域や世界の安全保障と直接、関係しています。先週、モスクワ安全保障会議に出席するため、ロシアを訪問したイランのハータミー国防軍需大臣は、セルビアの国防大臣と会談し、このことを指摘しました。ハータミー国防相は、「アメリカは、根拠のない理由でイランから核合意による利益を奪おうとしている」と語っています。
イラン軍航空防衛部隊駐屯地のイスマイーリー司令官は、イランのミサイル・防衛力に関する協議についての一部の西側諸国の首脳による発言に対し、「防衛力は、イラン国民にとって威信に関わる問題であり、敵にとっては、問題のない攻撃のための下地作りを意味している。そのため、防衛力に関する協議に意義はない」と語りました。
アメリカの政府関係者は、イランに対して根拠のない非難を繰り返し、イランの核合意の実施に関して口実を設けることで、実際、自分たちの核合意の不履行を覆い隠そうとしています。
アメリカは、世界最大の核兵器保有国であり、国際機関の監視を受けていない数百発の核弾頭を保有するシオニスト政権イスラエルの最大の支援国です。彼らは1945年に広島と長崎に原爆を投下し、何十万人という人々の命を奪い、環境に大きな被害をもたらしました。
アメリカは現在、核兵器の近代化計画を進めています。これは、核兵器の拡散の継続を意味します。アメリカの言語哲学者、チョムスキー氏は、次のように語っています。
「イランの軍事政策は防衛目的のものであり、長期的な攻撃を退けるように計画されている。一方で、アメリカとイスラエルは脅威の元凶であるが、抑止力に耐えることができない」