イエメンの政治・治安情勢                 
(last modified Tue, 22 Mar 2016 13:27:36 GMT )
3月 22, 2016 22:27 Asia/Tokyo
  • イエメンの政治・治安情勢                 

イエメン・フーシ派の報道官が、イエメンでの戦争や衝突の完全な停止を目指し、信頼を醸成する措置を開始することで、サウジアラビアと合意したことを明らかにしました。

ミールザーアーガーザーデ解説員

フーシ派の報道官は、21日月曜、レバノン・アルマヤーディンテレビのインタビューで、フーシ派とサウジアラビアの直接協議が行われたことを認めると共に、「双方は、イエメンへの攻撃と戦争を停止するための信頼醸成に向かうことで合意した」と語りました。さらに、「協議の初日、サウジアラビアとフーシ派の間で、信頼醸成のための第一歩として捕虜の交換が行われた。その中で、サウジ人の捕虜1名に対し、イエメン人の戦士7人が解放された。さらに、行方不明者や捕虜のリストも交換された」としました。また、「これまでに、双方のおよそ70人の遺体が、戦場の前線から運び出され、残りの遺体に対しても同様の努力が続けられている」と語りました。

フーシ派の報道官は、「この措置を実施するためには、前線において停戦が宣言されるべきだった。この措置がイエメンでの戦争の即時停止につながることが期待される」と述べました。

ドイツのDPA通信も、「イエメンとサウジアラビアの全てのグループは、衝突の停止と協議の再開で合意した」と報じました。国連のシェイクアフメド・イエメン特使も、22日火曜、イエメン危機の政治的解決とイエメンの挙国一致内閣の樹立に関するイエメンのすべてのグループの合意を明らかにしました。

こうした中、イラン外務省のアミールアブドッラーヒヤーン・アラブアフリカ担当次官は、シェイクアフメド特使との電話会談で、イエメンのグループ間の政治協議に関する努力を歓迎し、「イランの原則的なアプローチは、サウジアラビアの攻撃停止と対話による対立の解消であり、これに関するあらゆる努力を支持する」と述べました。

さらに、「イエメン危機は、地域のすべてのグループに、危機を脱するための対話を呼びかけ、イエメンの全てのグループが話し合う政治的な方法を取ることによって解決される」と述べました。

シェイクアフメド特使もこの電話会談で、イエメン危機の政治的な解決に関するイランとの協議は建設的なものだったとし、イエメンの各グループ間の対話の再開に必要な努力や調整を説明すると共に、改めて、イエメンに関係する内外の全てのグループの平和的な解決に向けた協力を求めました。

さらに、停戦の確立に向けた努力により、イエメンの人々への人道支援の移送と対話の結実に向けた状況が整えられるよう期待しているとしました。

こうした中、サウジアラビアの戦闘機は、21日月曜、サヌア、タイズ、イッブ、ズマル、ジャウフなど、イエメンの各地を爆撃し、この中で、女性4名と子ども1名を含むイエメン人数十名が死亡、数名が負傷しました。

この攻撃を受け、イエメンの政府軍と義勇兵も、イッブにあるサウジアラビアの傭兵の拠点を攻撃し、この中で多数が死亡、軍備が破壊されました。イエメンの政府軍と義勇兵はまた、サウジアラビア連合軍の空爆にもかかわらず、タイズでテロリストや傭兵に勝利し、この中で、アルカイダの幹部数名を含む70人のテロリストが死亡しました。

イエメン・タイズ州の関係者は、人々の集会で、サウジアラビアの侵略者と戦う政府軍と義勇兵への支持を明らかにすると共に、この攻撃の停止を強調しました。