視点;対イスラエル関係正常化、誤算とその影響
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パレスチナの国旗
UAEアラブ首長国連邦とシオニスト政権イスラエルの関係正常化合意発表から1ヶ月も経たない今月11日、トランプ米大統領はバーレーンとイスラエルの関係正常化を発表しました。
しかし、対イスラエル関係の正常化によるぬか喜びは、裏を返せば数多くの疑念を生み物議を醸しています、
抑圧されたパレスチナ国民の闘争の歴史は、アメリカとイスラエルの中枢機関で計画される数々の陰謀にも拘らず、抵抗戦線がさらに結束、強化されていることを示しており、それは自由と正義を求める地域や世界の諸国民の間にシオニズムへの嫌悪感が深く浸透していることと類似しています。
過去の歴史が示しているように、パレスチナ人によるシオニストに対抗する運動・インティファーダの1回目と2回目は、西暦2000年のキャンプ・デイヴィッド会議でのパレスチナ問題の抹殺工作の後に発生した国民の意志の反映であり、これによりイスラエル側は計算の変更を余儀なくされました。地域の現状も当然ながらこの意志の例外ではなく、UAEとバーレーンがイスラエルとの関係正常化合意で味わう蜜の味は、それほど長くは続かないと思われます。
イラン外務省は、こうした破廉恥な関係を非難しました。イランイスラム革命防衛隊も声明を発表し、「アメリカの政府や忌み嫌われる同国の大統領の工作により実行された、一部のアラブ諸国の統治者とイスラエルとの関係正常化ドミノは、決して成果をあげることはないだろう」と表明しています。
アメリカは、アラブ世界やイスラム共同体においてイスラエルの合法性を吹聴するため、イスラム諸国とイスラエルの間の正式な経済・外交関係の樹立を目指しています。この戦略の第1段階での思惑は、抵抗の精神の重要性を弱め、アメリカ提唱の「世紀の取引」という枠組みでの譲歩を、抵抗の代替とすることにあります。
アメリカとシオニストの戦略のもう1つの目的は、地域にイスラエルの勢力拡大の拠点を造ることにあります。
イランは、ペルシャ湾地域のパワーバランスへのイスラエルの介入の全てに警告を発しており、「UAEやそれに連帯する政権は、今回の措置の結果の全ての責任を受容すべきだ」と表明しました。
著名なアラブ人ジャーナリストで汎アラブ・中東ニュースサイト「ライ・アルヨウム」編集長のアブデルバーリー・アトワーン氏は、UAEとイスラエルの関係正常化について、次のように述べています。
「このような措置は真の意味で、ネタニヤフ・イスラエル首相とトランプ大統領の娘婿のクシュナー氏にとっての贈り物であり、無償の正常化ということになる。この合意は、米大統領選挙でトランプを敗北から救うための工作だが、それは失敗した可能性があり、UAEに情勢不安と不安定さをもたらすだけだろう」
地域のアラブ諸国とイスラエルの関係正常化は、あらゆる角度から見て地域における大きな脅威の一つとみなされ、その目的は全ての側面で明らかにされるべきだ。バーレーンも、自国民から合法性を獲得せずに、根本的な過ちを犯したことで、国民に背を向け屈辱的な行動により、イスラエルにすがり、パレスチナの理念をアメリカ大統領選の犠牲にしているのです。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、UAEとイスラエルの関係正常化の目的やその、悪い結果について明白に分析し、この行動をイスラム世界やアラブ世界、地域諸国、さらにはパレスチナ問題に対する背信行為だとし、「もちろん、このような状況は長くは持たないだろう。だが、パレスチナという国の強奪とパレスチナ国民の難民化を忘れ、シオニストに対し地域への扉を開いた輩には、不名誉な汚点が残るだろう」と評しています。
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