視点
米の新たな対イスラエル武器売却ーパレスチナ人殺戮継続への新たな一歩
-
米の新たな対イスラエル武器売却
バイデン米政権が、抑圧されたパレスチナ国民へのシオニスト政権イスラエルの犯罪が最高潮に達するのと時を同じくして、この子供殺し政権に対する7億3500万ドル相当の精密誘導兵器の売却案を承認しました。
アメリカ民主党の議員らの一部は、パレスチナ・ガザ地区に対するイスラエルの暴力的な攻撃や、多数のガザ民間人の殺戮を引き合いに出し、米政府の対イスラエル兵器売却決定に強い懸念を示していました。しかし、バイデン政権はネタニヤフ・イスラエル現政権への支持というアメリカの立場の転換を求める民主党議員の一部に対し、こうして危険信号を示しました。
イスラム教徒女性でもあるイルハン・オマル下院民主党議員は、「バイデン政権が、7億3500万ドル相当の対イスラエル武器売却契約に署名したことは、実に恥ずべきものである。この契約は、イスラエルに緊張扇動のゴーサインを出したに等しく、停戦に向けた努力をくじくことになる」と語っています。
バイデン政権は、武器売却を議会に通知することを義務付けられています。議員らは正式な通知の後、20日間の猶予を与えられ、この期間中に、強制力のない決議を出してこの案に対する反対を表明することが可能です。このことから、対イスラエル武器売却の新たな契約が議会の反対に遭遇しても、それにより即この武器売却案が取りやめになるわけではありません。
実際、バイデン政権の対イスラエル政策は、トランプ前政権やこれまでの政権の政策とそれほど異なっておらず、その不変の基本原則は「無条件での対イスラエル支持」に基づいています。これに関して、今回の衝突が始まってからの期間に抑圧されたガザ住民に対するイスラエルの攻撃が前例のないレベルに増加し、殉教者の数が220人を超え、負傷者数が5500を超えた現在でさえも、アメリカ政府はこれだけの量の武器をイスラエル政府に売りつけようとしていることになります。そして、イスラエルはまさに、それらの武器の照準を防衛手段を持たないパレスチナ市民ぴたりと合わせ、使用しているのが現実なのです。
イスラエルに売却されるアメリカ装備の大半は、「ダム・ボム」として知られる無誘導爆弾を誘導爆弾または、スマート爆弾に変換する、「統合直接攻撃弾」装備のキットです。イスラエルは、過去にこれらのキットを大量に購入しているとともに、ガザ空爆が誘導爆弾により行われていることを公言しています。
急進的な民主党下院議員らは、イスラエルに停戦同意を迫ることなくスマート爆弾の販売を承認することは、彼らにとってさらなる虐殺を可能にするだけだと信じています。
実際に、バイデン現政権も前政権と同様に、イスラエルとパレスチナの現在の衝突において、またもやイスラエルに肩入れし、ヨルダン川西岸や聖地ベイトルモガッダス・エルサレムでのパレスチナ人弾圧の継続、ならびにガザ地区の大規模な空爆というイスラエルの犯罪行為を、「自己防衛」などという用語で正当化しています。過去何十年もの間、歴代の米国大統領は全員、イスラエルとパレスチナの紛争でイスラエルを贔屓し、ヨルダン川西岸でのシオニスト入植地拡大に同意し、さらにイスラエル政権に数十億ドルの軍事援助を提供してきました。同時に米国は、国連安全保障理事会などの国際機関で常にイスラエルに肩入れし、擁護してきています。
こうした中、バイデン政権の対イスラエル支持は、現大統領とアメリカ与党民主党の主要メンバーとの対立を引き起こしています。チャック・シューマー上院与党院内総務、上院外交委員会のロバート・メネンデス委員長、ステニ・ホイヤー下院院内総務などの旧来からの民主党派閥はすべてイスラエルの自衛権を強調していますが、イルハン・オマル氏、ラシダ・タリブ氏、アレクサンドリア・オカシオ・クルツ氏など、若手民主党議員の新たなグループは、イスラエル支持という民主党の極右的なアプローチを問題視し、それを強く批判するとともに、こうした一方的でえこひいき的なやり方の転換を求めています。
しかし、米国議会でのイスラエルのロビー活動とイスラエルに対する同情的なアメリカの見方を考えると、バイデン政権時代にアメリカの親シオニスト的なアプローチが変化する可能性は非常に低いと思われます。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj