世界ゴッツの日ーイスラム共同体の抵抗と叫びの日
(last modified Thu, 13 Apr 2023 10:44:00 GMT )
4月 13, 2023 19:44 Asia/Tokyo

イスラム教徒の断食月・ラマザーン月の最終金曜日は、イランイスラム共和国の建国者ホメイニー師により1979年、パレスチナ国民への支持を表明する「世界ゴッツの日」に制定されており、全世界のイスラム教徒らに対し、シオニスト政権イスラエルおよびその支持勢力にパレスチナ領土から手を引かせるべく団結することが呼びかけられています。

1979年8月7日、イラン・イスラム革命勃発からまだ1年もたたないうちに、ホメイニー師は全世界のイスラム教徒に対し、ラマザーン月の最後の金曜日をゴッツ(シオニスト政権イスラエルの占領下にある聖地ベイトルモガッダス・エルサレムの異名)の日として、パレスチナのイスラム教徒の法的な権利支持を示すよう呼びかけました。

 

ゴッツの日はイスラムの日

ホメイニー師はゴッツの日に関して、「ゴッツの日は、単なるパレスチナの日ではなく、イスラムの日でもある。この日は国際的な記念日であり、聖地ゴッツだけに限定されされない、覇権主義者に対する被抑圧者の抵抗の日である」と延べています。

実際にゴッツの日は、パレスチナやそのほかのイスラム諸国におけるイスラエル政権の犯罪に対抗していこうという、イスラム共同体の意思と団結の象徴といえます。つまり、この日は覇権主義者に対する被抑圧者の抵抗の日であるとともに、自らの子どもたちの血をもってシオニスト強奪者政権の忌まわしい素顔を暴く諸国民の、抑圧された叫びの日なのです。

ラマザーン月最終金曜日がゴッツの日に制定されたことは、世界の芸術家や啓蒙主義者の多くの支持を受けており、今日ではイランに加えて各国において、この日に一連の行進や式典が開催されています。複数のニュース報道によりますと、その数は80カ国にも及ぶということです。

 

聖なるゴッツ;イスラム教徒にとって初の礼拝方向・キブラ

高潔なるゴッツは、イスラム教やその預言者らとの関わりが深く、さらにアクサーモスクが所在していることから、崇高な価値や多大な重要性を有しています。ゴッツが重要であることの理由は、この聖地が神の預言者の召命および生活の場であったこと、イスラム教徒にとって初の礼拝方向・キブラであったこと、預言者ムハンマドが天馬に乗って昇天した先とされる場所であることによります。また、この聖地はかねてから、ユダヤ教徒とキリスト教徒にとっても宗教面で独自の重要性を有しています。

このことから、聖なるゴッツはシオニストの視点から見て非常に重要な位置づけにあります。シオニズムの指導者らは、自らの偽りの政権の存続をこの聖地に結び付けています。このため、彼らは特に直近の20年間を中心としたこれまでの数十年間において、自らの持てる力の相当の部分や、武力によらない計画の優先事項のかなりの部分を、聖地ゴッツを主軸とした占領地域のユダヤ化や、シオニスト用住宅の建設に集中させてきており、現在でも、天文学的な額の費用をつぎ込んで、この目的を追求しているのです。

実際に、シオニスト入植地の拡大や、特にこの聖地の周辺をはじめとする占領地のユダヤ化に対する注力は、聖地の消滅に向けたイスラエル政権の計画の主要な筆頭課題となっています。

 

シオニストからの聖地奪還運動・インティファーダと抵抗の文化の拡大

こうした中、世界ゴッツの日の式典は毎年、世界においてイスラエルという子ども殺し・犯罪・如何様政権の本質をより明らかにし、イスラム教徒の諸国民の世論におけるインティファーダと抵抗の文化を拡大させるとともに、イスラム教徒の諸国民および全人類の主要かつ共通の敵としてのシオニスト政権イスラエルに対する、更なる結束の必要性を改めて強調しています。

今年の世界ゴッツの日の式典は、イスラエル政権の最近の犯罪や挑発行為の激化に注目し、この日の重要性が倍増している中での開催となっています。これに対し、シオニストという敵との戦いの方法にも変化が生じています。当初は投石によりシオニスト占領政権に抵抗してきたパレスチナ人らは、現在ではミサイルなどの兵器を保有しており、占領者らを自らの領地から駆逐すべく、その意欲を増しています。このことは、イスラエル政権をひどくおじけさせるとともに、この強奪者政権との対決に向けたパレスチナ人の若者や市民団体の活動の活発化も、イスラエルの安泰をかく乱し、その安全保障に疑問を提示しこれに被害を与えています。実際、アラブ諸国の一部政権との妥協的関係正常化や協議といった流れはこれまで、シオニストにとってめぼしい成果には結びついておらず、現在ではパレスチナ・ヨルダン川西岸の人々も、自らの闘争において同国ガザ地区の人々に加わっています。パレスチナの人々は、妥協のプロセスに強く憤慨しており、闘争の新たな段階に突入しています。

 

シオニスト政権との闘争;圧制やテロリズムとの戦い

現在のイランイスラム革命最高指導者であるアリー・ハーメネイー師はイラン暦の昨年にあたる2021年、「パレスチナ問題は今なお、イスラム諸国の間における最も重要で現在進行中の共通の課題である」とし、「シオニストらは略奪されたパレスチナを初日からテロの拠点へと転じさせている。イスラエルは1つの国ではなく、パレスチナ国民やそのほかのイスラム教徒の諸国民に対するテロの拠点である。このいかさま政権との戦いは、テロや圧制との戦いであり、しかもこれは全ての人々の責務である」と語りました。

既に明らかなように、パレスチナ問題や聖地をスローガンに掲げての世界規模での例年の結束は、この聖地やそこにあるアクサーモスクに対するシオニストの侵略や陰謀に対抗する、特に聖地住民をはじめとした、パレスチナ国民の闘争の精神を強化するものです。その側面は、ガザ地区やヨルダン川西岸でのパレスチナ市民による現在の闘争にも、如実に見て取れるのです。


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