米の戦略石油備蓄、過去40年で最低水準に
9月 25, 2022 18:35 Asia/Tokyo
アメリカの戦略的石油備蓄が、市場放出により過去約40年で最低の水準に達しました。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によりますと、米国のジョー・バイデン大統領によるガソリン価格の低下を狙った介入措置によって、米政府の戦略的石油備蓄が過去約40年で最低の水準になっています。
今月16日時点で米政府の石油備蓄は4億2700万バレルで、これは1984年以来最低の数値となりました。
アメリカは、世界的な燃料価格の高騰を受けて今年3月31日に1億8000万バレルの石油備蓄の放流を決定してから、過去半年間で1日100万バレル程度の備蓄を市場に流し続けてきました。
その結果、これまでに1億5500万バレルの備蓄がなくなり、1983年以来初めて米政府の石油備蓄量が民間のそれを下回った形となっています。
こうした介入措置によって米国のガソリン価格は約100日間連続で低下し、歴史的な高値から脱して、最高値を記録した6月14日には1ガロン(約4.5リットル)当たり5.016ドル(720円)だったのに対し、今月21日時点では平均3.689ドル(530円)となっています。
このごろ、世界の原油価格の下落が加速しており、欧州の原油価格の指標となるブレントは去る1月25日以来初めて1バレル87ドルを割り込んだ他、米WTIも同月11日以来初めて1バレル80ドルを下回りました。