OPECが中長期の石油需要予測上方修正、投資不足を懸念
11月 01, 2022 20:26 Asia/Tokyo
OPEC石油輸出国機構が、中長期の石油需要予測を上方修正しました。
ロイター通信がアラブ首長国連邦アブダビから報じたところによりますと、OPECが31日月曜に公表した2022年世界石油見通しでは、2027年までの需要の見積もりは昨年時点から日量約200万バレル切り上がっています。
その理由として、今年と来年の需要回復がより力強くなることや、エネルギー安全保障が重視されて、ロシアのウクライナ侵攻以降に価格が高騰している天然ガスなど他の燃料による代替の動きが弱まると見込まれることが挙げられます。
なお、30年までの需要は平均で日量1億0830万バレル、45年は同1億0980万バレルと想定されています。
また、目先も来年の需要は1億0300万バレルに達し、今年見込みより270万バレル多くなるということです。
OPECは石油もエネルギー移行に一役買うはずだと主張しており、アルガイス事務局長は45年までに石油セクターに総額12兆1000億ドルの投資が見込まれると説明しました。
この投資予想額は、昨年時点から引き上げられています。
一方でアルガイス氏は「業界全体の事業環境悪化や新型コロナウイルスのパンデミック、化石燃料プロジェクトへの資金提供を打ち切ることに主眼を置く政策展開などのため、近年は世界的に石油産業向けの投資が慢性的に少な過ぎる状況にあることが大きな懸念要素だ」と述べました。