米国の動向|緊迫した2025年の終了;ガザ、ウクライナ、アフリカの3つの戦線に同時に臨むトランプ氏
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アメリカのドナルド・トランプ大統領
米国政府は、ガザ和平案第2段階の実施を急ぐ中でシオニスト政権イスラエルの首相との軋轢の高まりを抱え、今や「合意の障害になっている」としてイスラエルの行動を批判しています。
2025年もあと数日を残すのみとなった現在、西アジアとウクライナという極めて神経を擁する問題が主要国の注目の焦点となっています。トランプ大統領の提唱によるガザ和平20項目計画は去る10月から実施され、まさに今正念場を迎えています。ガザ和平計画第2段階の実施は、アメリカ・イスラエル間の新たな課題となっています。さらにはウクライナでも外交面での目立った進展が報告されており、トランプ大統領は新年を迎える前の合意締結を目指しています。そしてアフリカでは、ナイジェリアへの米国の軍事介入がトランプ大統領の外交政策に新たな局面をもたらしました。
【ParsToday国際】このニュース記事では、国際情勢におけるアメリカの役割について深掘りしていきます。
ガザ:米国、イスラエル首相にガザ和平計画の第2段階の実施加速を迫る
イスラエルの第12チャンネルTVはホワイトハウス関係者の話として、ドナルド・トランプ米大統領が来年1月にガザ和平計画の第2段階開始の決意を固めていると報じました。この段階には、トランプ大統領が議長を務め暫定統治を主導する国際機関「平和評議会」の正式発表、パレスチナのテクノクラート政府の樹立、そしてガザの治安維持を担うISF国際安定化部隊の派遣が含まれます。米国当局者は、ネタニヤフ・イスラエル首相の行動に失望を示しており、それが合意の弱体化と遅延の要因となっているとしています。あるホワイトハウス関係者によれば、どうやらイスラエルはしばらく前から合意成立を後悔しており、時折合意の履行を困難にしていることもある模様です。また、イスラエル軍司令官による現地での軽率な武力行使にも批判が及んでいます。
ウクライナ:難局解決に向け急速な進展あり
米国政府は、ウクライナ危機の解決において、過去2週間で昨年1年間よりも多くの進展があったと考えています。アメリカの新興メディア・アクシオスによりますと、米国はNATO北大西洋条約機構の安全保障条約第5条に類似した安全保障をウクライナに求める文書を上院に提出する準備を整えています。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は領土問題、安全保障、停戦について最終決定するため、28日日曜にトランプ大統領と会談する予定です。ゼレンスキー大統領は領土について譲歩を迫られた場合のための住民投票の実施を示唆しており、ロシアは住民投票実施のための一時的な停戦に同意しました。ウクライナ東部ドンバス地域および、ザポリージャ原子力発電所をめぐる紛争にもかかわらず、双方は「意義深い進展」があったと報告しています。ゼレンスキー大統領はウィトコフ・アメリカ大統領特使および、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏とも電話会談を行っており、新年までに多くの合意をまとめたいと考えています。
ISISの存在を口実としたナイジェリアへの米軍介入
トランプ大統領は「ナイジェリア北西部のテロ組織ISISの拠点に対し、正確かつ致命的な空爆を実施した」と発表しました。この作戦は民間人、特にキリスト教徒の殺害への報復として実施されたと報じられています。トランプ大統領はISISを「汚いISISテロリスト」だとし、暴力行為が続く限り作戦を継続すると警告しました。この動きは、テロの脅威が存在する散発的地域への直接介入というトランプ政権の新たなアプローチの一環であり、国家主権侵害との批判を招いています。
2025年が終わろうとしている中、トランプ大統領の外交・軍事戦略が注目されています。ガザとウクライナにおけるトランプ氏の取り組みの成否、そしてアフリカへの介入の結果は、新年の行方を左右する可能性があると言っても過言ではありません。また、それなりの進展はあるものの、依然として恒久平和への道には国内および地域的な課題が大きな障害として立ちはだかっています。

