安保理非公式会合で、米がだまし討ち
イランのイールヴァーニー国連大使は、「アメリカは反イラン的な安保理非公式会合(=アリア・フォーミュラ)の開催において、心理戦やだまし討ち、明らかな敵対行為に訴えている」と述べました。
アリア・フォーミュラとは、国連安保理の非公式会合の一形態で、理事国からの提案で開催されます。非公式であることから、決議などはできないものの、外部の組織や個人の出席も可能です。1992年にベネズエラの国連大使で安保理議長だったアリア氏が考案したことからこの名前がつきました。
2日水曜、このアリア・フォーミュラが、イランの人権・抗議活動状況の検討という名目でアメリカやアルバニアの提案により開催されました。
イランのイールヴァーニー国連大使はこれについて、「アメリカは、この会合が人権擁護を目的として開催されると主張しているが、イラン国民はアメリカの圧政的な制裁による大規模な打撃を受けて来た。それは食糧や医薬品を武器とした本物の戦争だ」と述べました。
実際、アメリカは人権をこうした会合の開催口実に使う一方で、自らが基本的人権の侵害で訴えられています。アメリカは、イラン・イスラム革命の勝利以降、制裁を行使し、多くのイラン人患者が医薬品が入手できず死亡しました。
イランの医療統計によると、2018年に70名、2019年に90名、2020年に140名、2021年に180名のサラセミア患者が制裁の影響で亡くなっています。
イールヴァーニー氏は、アメリカのような一部の国によるこうした会合の開催は、既存のメカニズムの弱体化につながり、国連の原則や目的に反するとし、「イランは人権の政治化に反対し、近視眼的な政治目的のための特定の国による国連組織の改ざんを容認しない。そして、このような行動を危険とみなし、常に警告してきた」と語りました。