米で銃購入するアジア系増加 ヘイトや乱射事件が背景
3月 18, 2023 21:53 Asia/Tokyo
米国では、これまで銃犯罪とは関連づけられてこなかったアジア系住民の銃購入が増えています。
全米射撃スポーツ財団の2021年のデータによると、アジア系の銃購入客が増えたとの報告は、販売店全体の約27%に上るということです。
ギフォーズ銃暴力防止法律センターのアレックス・グエン氏は、新型コロナウイルスの流行下でアジア系に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加したことで、銃を購入する人が増えていると指摘します。
グエン氏はAFP通信の取材に、「アジア系米国人は恐怖を感じている。治安の悪化や人種的偏見への恐れから銃を購入している」と語りました。
一昨年に初めて銃を購入したティム・チャンさん(30)は、「コロナ禍の生活で、何もしていなくても自分がターゲットにされることに気が付いた」とし、「過去2年間、数々のアジア系に対する増悪犯罪について見聞きし、護身のすべを手に入れるべきとの考えに至った」と銃を購入した理由を語りました。
銃の扱い方を教えるインストラクターのトム・グエンさんは、「他のコミュニティーと比べ、アジア系アメリカ人の教育には銃が含まれることは少ない」と指摘します。
しかし、現在、グエンさんから銃について教わる600人のうち、約3分の1はアジア系だといいます。
グエンさんは、「結局のところ、銃への恐怖よりも標的になったり襲われたりすることへの恐怖の方が大きいということだ」と、アジア系の銃武装増加の理由を説明しました。