ベルルスコーニ元伊首相が死去
6月 12, 2023 19:00 Asia/Tokyo
イタリアの首相を歴代務めたシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が、ミラノの病院で死去しました。享年86歳でした。
現地のメディアのコリエーレ・デラ・セラ紙は去る4月、ベルルスコーニ氏は重い白血病を患っていると報じていました。
ベルルスコーニ氏は1936年9月29日、銀行員の家庭に生まれ、1961年にイタリア・ミラノ大学法学部を優秀な成績で卒業しました。
ベルルスコーニ氏は学業の傍ら、クルージング船で歌手として働き、大学卒業後は建設会社を設立し、ミラノ郊外で宅地建設に従事していました。
1970年代になると、建設業と並行して通信ビジネスに着手しましたが、1993年に実業界を離れ、政界への進出を決意しました。翌1994年1月、新政党「フォルツァ・イタリア」を立ち上げ、その翌年の1994年5月にはすでにイタリアの首相に選出されました。
ベルルスコーニ氏の第1次政権は、連立与党内の意見対立が原因でわずか8カ月で破綻しました。しかし、その後の2001年、2005年、2008年と3度首相職に返り咲き、あわせて4度の政権で3340日間、首相を務め、イタリア史上最長の内閣の2つを率いています。ところが、一連のスキャンダルで訴追され、2011年11月12日に退陣に追い込まれ、20件を超す刑事事件容疑で訴えられため2013年、公職から追放され、同年、懲役7年の判決を受けました。
2015年、ナポリ裁判所はベルルスコーニ容疑者が2007年に政府転覆を図り、上院議員に賄賂を贈ったとして、有罪判決を下し、3年の禁固刑を言い渡しました。しかし、判決に対する異議申し立ては2022年になっても続いていました。