宗教的勇気をもって民主主義の危機を語れなかったローマ教皇
世界のカトリック教徒の指導者であるローマ教皇フランシスコは、今日の世界の民主主義の状況が良くないという考えを示したものの、その原因については語りませんでした。
【ParsToday国際】「民主主義」という言葉は、西側の価値観に基づく世界では、残念なことに大きな嘘もしくは幻想と化しています。ヨーロッパ諸国やアメリカでのパレスチナ支持運動に対する弾圧は、これらの国々における民主主義の主張がどのようなものかを裏付ける出来事と言えます。
ローマ教皇フランシスコは7日日曜、「社会問題に関するカトリック年次大会」において、ポピュリスト的な諸政策は世界の民主主義の状況に害を与えるものだと指摘しました。
教皇は続けて、「世界の多くの人々は、民主主義が自分たちから奪われており、貧しく弱い人々はそのまま放置されていると感じている」と強調しました。
さらに、世界の分極化や党派主義を非難しながら、「民主主義の危機はさまざまな国で問題になっている」としました。
教皇に期待されていたのは、現在の状況を引き起こした原因、つまり、資本主義的価値観で利益だけを基準とし戦争を起こすことで自身の植民地的利益を目論む者たちについて明確に語ることでした。
また、政治における敬虔さの重要性について指摘していれば、さらに良かったでしょう。政治家が宗教的合理性とともに神への真の畏怖を持つことは、彼らが非人道的な行動に出ることの抑止力となりえます。そして、世界の人々はこれまでに、西側の指導者たちが金と権力に頼って民主主義を世の中から滅ぼし、その一方で、彼らが必要な時にはいつでもこの言葉を自分たちの正当性の象徴として持ちだす様子を見てきたのです。