多極化世界を懸念するアメリカ
ロシアは、より公正で安定的な多極化世界の実現に西側諸国が抵抗していると考えています。
【ParsToday国際】世界は冷戦や一極主義が破綻した教訓から、新たな秩序へと向かっています。こうした中、アメリカを筆頭とする西側諸国は、世界が多極化へ向かうことを阻止しようと奔走しています。
これに対し、ロシアやイラン、中国は、ブラジルやインドといった新興勢力とともに多極主義への関心を表明し、アメリカの主要な同盟国からの注目も集めています。
アントノフ駐米ロシア大使は、ドイツの研究機関への寄稿で、「ロシアはより公正で安定的な、国連憲章にもとづき各国の平等を重視する多極化世界を支持する」と記しました。
アントノフ氏は、多極主義を支持する国は多いとし、「各国は植民地主義の名残を消し去ることを求めている」としました。
そして、「西側諸国はこうした多極主義を求める動きに抵抗し、他国に対して影響力を行使し、その運命を決めることができる立場を保持しようと躍起になっている」と指摘しました。
ロシアのプーチン大統領は、先日同国で開かれたBRICS議長会議で「真のパワーバランス、新たな地政学的・経済的・人口学的現実をふまえた新秩序を構築することが、複雑で困難な道のりであることはよく理解している」と語りました。
プーチン氏はその上で、BRICSやその他の国が進める取り組みは、世界を支配するエリートや富裕層の激しい抵抗に遭っていると語りました。
明らかなことは、アメリカを筆頭とする西側諸国は、一極主義の世界秩序において、国際法に反して力や制裁、法の恣意的運用、強権的物言いなどの手段に訴えているということです。
いずれにしても、アメリカは多極主義を快く思っておらず、自らが唯一の超大国であり続けようとしているのです。イランへの制裁行使もその延長線上にあります。バイデン大統領は、世界が多極化へ向かっていることを認めていますが、いまだにアメリカが唯一の超大国であった頃の思い出を捨てきれないでいます。それゆえ、ウクライナ戦争ではロシアを打ち負かそうとし、中国の成長を妨害しようとしているのです。