イスラエル犯罪者に対する国際刑事裁の判決ーパレスチナ人の視点から
国連人権特別報告者が、「シオニスト政権イスラエルの首相と元戦争大臣の逮捕というICC国際刑事裁判所の決定は、西側諸国の約束順守にとっての試金石である」と語りました。
パレスチナ問題を担当するフランチェスカ・アルバネーゼ国連特別報告者は22日金曜、「オランダ・ハーグにあるICC国際刑事裁判所の今回の決定をめぐり、西側諸国の足並みが揃わなくなっている状況を我々は目の当たりにしている」と述べ、「イスラエル指導者らの逮捕命令は、実際には虐殺加害者に対する処罰および正義の実施という我々の要求の実行であり、パレスチナ人は爆撃、殺害、飢餓から守られるべきである」と述べています。
パールストゥデイによりますと、ICCは21日木曜、戦争犯罪及び人道に反する罪、およびガザ住民の飢餓を武器として悪用した罪により、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と同政権のヨアヴ・ガラント元戦争大臣の逮捕命令を出しました。
これに関連して、英ロンドンに本社を置く汎アラブ系メディア「アルアラビー・ジャディード」は、「ガザの人々はイスラエル当局者2人の逮捕に関するICCの決定に疑いの視線を向けており、ネタニヤフ首相とガラント氏の逮捕命令がガザ戦争の終結につながるとは期待していない」と報じました。
また、「ガザ住民は、ICCによるこの判決が、ガザの住民が苦痛や困難を抱えていることが認められた証であると考えている」としています。
ガザ地区ハーンユス在住のパレスチナ人サーベル・アブガーリ氏は、これに関して「イスラエル政権は拒否権を持つ米国によって支持されており、決して責任を問われることはないため、この判決は決して実施されることはないだろう」との見解を示しました。
また、もう1人のパレスチナ国民、サイード・アブ・ユセフ氏も、「ICCは行動面で大きく後れをとった。我々はこの状況を76年間も目撃してきたが、発行されたものは決して実行されず、これに関しては特別な進展は見られない」と語っています。
一方、西アジア問題の専門家ハサン・ハーニーザーデ氏は、「西側諸国とアメリカは、イスラエル政権の殺人機材への軍事支援に加え、国連安保理などの国際機関でもこの政権に肩入れして、ガザでの停戦決議に何度も拒否権を行使した」と述べました。