米がウクライナ、ルワンダ、ウズベなどに強制送還移民の受け入れ迫る
(last modified Sat, 10 May 2025 05:16:11 GMT )
May 10, 2025 14:16 Asia/Tokyo
  • トランプ米大統領
    トランプ米大統領

米紙ワシントン・ポストが漏洩した機密文書から、トランプ米現政権が前代未聞の行動に訴え、自らが弱小と見なすアフリカ・ルワンダや戦災国ウクライナといった諸国の政府に、米国から強制送還された移民を受け入れるよう要請していたことが明らかになりました。しかも、これらは金銭による奨励や政治的脅迫によって進められる計画だということです。

ワシントン・ポストが調査した文書によれば、トランプ政権は2024年1月にホワイトハウスに復帰して以来、不法移民の強制送還に向けた積極的なプログラムを開始し、ウクライナ、ルワンダ、中央アジア・ウズベキスタンを含む各国に第3国国民の受け入れを要請しています。

【ParsToday国際】イスナ―通信によりますと、ロシアと目下交戦中のウクライナはアメリカのこうした要請に冷淡な反応を示すとともに、当局の発表として「この問題は政府の最高レベルでも取り上げられていない」と表明しました。

しかし、問題の文書はアメリカが軍事援助という手段を使ってウクライナに圧力を行使してきたことを裏付けています。

人権状況の経歴が弱い国とされるルワンダは、イラク難民1人の受け入れにつき10万ドルを受け取ることに同意し、さらに10人を受け入れることになっています。この合意は、ルワンダがトランプ大統領の移民政策に協力する意思を示しています。

また、ウズベキスタンに関しても、米国はロシア人とベラルーシ人の移民を国外追放するための通過拠点としてこの中央アジアの国を利用してきました。これに対し、ウズベキスタン当局は当初抵抗を示さなかったものの、合意の政治的影響については懸念が存在しています。

これらの文書からはさらに、トランプ政権が中米パナマに対し関税賦課などをちらつかせて経済面で脅迫し、さらには同じく中米エルサルバドルには援助などの財政的奨励といった手段を利用して、各国に協力を促してきたことを物語っています。移民の歴史を専門とするヤエル・シャチャー(Yael Schacher)氏は、現在がこうした政策がトランプ政権下で前例のない水準・規模に達しており、移民分野でのアメリカの目的推進のために「弱い、あるいは依存的な」国々を利用している、との見方を示しています。そして結局のところ、トランプ大統領の移民政策は米国の外交関係に影響を与えたとともに、他国に対する政治・経済的圧力の手段にもなっているものと見られます。

ワシントン・ポスト紙が調査した他の文書からはさらに、トランプ大統領が政権に復帰してから数週間以内に、米国当局者がコーカサス諸国の1つ・ジョージア政府とも第3国国民の受け入れについて打診したものの、その協議が成果に至ったか否かについては明らかにしなかったことも判明しています。

 

 


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