イスラエルと豪州が外交上の緊張を抱えながら水面下で協力を続ける理由とは?
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右:ネタニヤフ - 左:アンソニー・アルバニージ オーストラリア首相
シオニスト政権イスラエル政権とオーストラリアは、外交関係が最低水準に落ち込み、外交官ビザの取り消しにより緊迫化する中で、相互間の安全保障、技術、経済協力を継続しています。
オーストラリア政府がパレスチナを国家承認する意向を発表し、一部の過激派シオニスト外交官への査証発給を拒否したこともあり、イスラエル政権はオーストラリア外交官の占領地駐在ビザの取り消しを決定しました。
【ParsToday国際】オーストラリアのペニー・ワン外相は、イスラエル政権の行動が世界平和実現への努力を損なっていると表明しました。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相もこの立場表明に反応し、オーストラリア首相を「弱腰な政治家」だとし、オーストラリア在住のユダヤ人を裏切ったとして非難しました。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は、同国が今月までにパレスチナを正式に国家承認すると発表しましたが、この決定はイスラエル政権の強い反発を引き起こしています。
オーストラリア政府の主張と立場表明は、同国が特に経済分野における対イスラエル関係を縮小する意向がない上に、ここ数ヶ月で逆に関係が強化されている状況下でのことです。オーストラリアとイスラエルの当局者の立場とは対照的に、両国は経済、技術、政治の両面で広範な関係を築いており、最近の対立は外交的緊張以上にはエスカレートしていません。
世論や人権団体がオーストラリアに対し対イスラエル関係の断絶を求める一方で、オーストラリア政府は安全保障と技術面でイスラエルとの協力を継続しています。この矛盾は、オーストラリアの外交政策における倫理的優先順位について深刻な疑問を投げかけています。
近年、オーストラリア企業はイスラエル関連のスタートアップ企業に投資しており、オーストラリアはイスラエル関連企業の技術を活用しています。
イスラエルの犯罪への断固たる対抗政策を拒否するオーストラリア当局の姿勢とは裏腹に、同国の市民活動家らはここ数カ月、ガザ市民らを支援しながらシオニストの犯罪に反対する広範な活動を展開してきました。
アラブ系団体、革新派ユダヤ人、平和活動家などを含む80以上のオーストラリアの市民社会団体は、ガザにおけるジェノサイドについてICJ国際司法裁判所に正式な声明を提出しました。この声明は「ジェノサイド条約の署名国であるオーストラリアにはイスラエルの行為を阻止する義務があり、さもなければ犯罪に加担するリスクがある」と強調しています。この動きは、オーストラリア政府に対しより積極的かつ倫理的な姿勢を取るよう求める同国の市民社会からの強い圧力を反映したものと言えます。
オーストラリアの活動家たちは、メディア、SNS、大学を通じて、イスラエル軍の戦争犯罪を告発してきました。オーストラリアの一部の文筆家、芸術家、大学教授らも、自国政府による対イスラエル支援の停止を求める記事や公式声明を発表しました。これらの反応は、一部の政府公式見解とは対照的に、オーストラリアの市民社会が強くはっきりと、パレスチナ国民を支持する声を上げている現実を示しています。
オーストラリアを含む西側諸国は、外見やプロパガンダのスローガンとは裏腹に、表向きは人権と正義を擁護しているものの、実際には倫理や人道を蹂躙した形で自国の利益を優先しています。しかしながら、西側諸国の国際世論は次第に自国政府に対し、イスラエルへの無条件支援の打ち切りを求めるようになっています。
西側諸国、特に米国は、シオニスト政権の行動が広範に批判されているにもかかわらず、同政権への支持を続けています。中でも特に米国の大学では、ガザ戦争に対する学生抗議の波が広がっており、こうした動きは、西側諸国政府と世論の溝が拡大していることを物語っています。