女性を道具として利用する資本主義体制
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資本主義はより多くの利益を得るために女性の労働力を利用
資本主義体制は常に、より多くの利益を得るための道具として女性を利用してきました。
【ParsToday国際】現代世界で最も重要な経済・社会構造の1つとされる資本主義体制は、常に利益の増大と資本の蓄積を追求してきました。この過程においては、女性は広く道具として利用され、女性の役割は人権や平等な社会的地位ではなく、資本家にとってより多くの利益を生み出す機能に基づき定義されてきました。この問題を深掘りしていくと、資本主義は安価な労働力に始まり消費主義、宣伝広告に至るまでの様々な分野で女性を利用することで、自らの支配の強化と収益性の向上を狙ってきたことが分かります。
資本主義において、女性が道具として利用される最初の領域の1つは労働市場です。多くの資本主義社会では、女性は男性よりも安価な労働力として利用されています。これにより、雇用主は生産コストを削減できるとともに、労働力をさらに搾取できるようになります。特に衣料品、サービス業などの多くの産業や家事労働において、女性はより低い賃金とより過酷な労働条件で就労しています。資本主義は男女間の賃金格差を生み出すことで、ジェンダー不平等を効果的に利潤増大の道具として利用しているのです。
資本主義体制は労働市場に加え、女性を広告やマーケティングの道具としても利用しています。特に、商業広告において女性の肖像や全体の姿などは、商品やサービスの魅力を高める目的で、型にはまった性的な形で提示されることが多くなっています。こうした道具的利用により、女性の地位が貶められるとともに、女性は消費主義を刺激する道具へと転用されることになります。女性の身体とイメージの利用により、資本主義は社会における購買・消費意欲を刺激し、それによってより多くの利益獲得を狙っています。実際、こうした構造において女性は独立した人間としてではなく、商品やサービスを販売するための手段としか見なされていないのです。
一方、資本主義は消費文化の促進により、女性を市場における最も重要なターゲット集団の一つに仕立て上げました。特にファッション、美容、ライフスタイルの分野では、多くの製品やサービスが女性向けに設計・宣伝されています。そのため、女性は常に新しい商品の購入・消費という社会的・文化的なプレッシャーを受けていることになります。資本主義はこうしたプレッシャーを利用することで消費サイクルを強化し、利益を増やしています。しかし同時に、女性は消費者としてのみならず、常に新しいニーズを創出すべき主体としても利用されているのです。
また、文化・社会的観点から見ると、資本主義はジェンダー・型にはまったイメージの再生産により、自らのシステムにとって最も有利な形で女性の地位を定義づけています。資本主義が支配するメディアと文化産業は、従順で安価な労働力、あるいは消費主義を刺激する道具というイメージで女性像を描いています。こうした文化的再生産により、ジェンダーの不平等や女性の道具的利用が永続されているのです。
こうした全ての事柄から、資本主義が男女平等を無視しているだけでなく、不平等を利益増大の手段として利用していることが見て取れます。一方で、この状況から資本主義構造に対する真摯な批判と抵抗の必要性が浮き彫りになっています。それは、女性が真に人間的な地位を獲得するには、こうした体質の制度を抜本的に改革するしかないからです。
最後に触れておくべき点として、資本主義体制においては、女性が平等な権利を持つ独立した人間として認められるのではなく、より大きな利益を得るための道具として利用されていると言わざるを得ません。このようなアプローチは、ジェンダー不平等の継続をまねくと共に、女性の人間としての尊厳を毀損するものです。したがって、このような道具的利用を批判し、対峙することは、社会正義のための闘い、そして女性の尊厳と真の人格を守るための不可欠な要素だと言えるでしょう。

