アフリカでのパレスチナ国民支持とイスラエル非難の新たな波
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アフリカ諸国の指導部や市民らがパレスチナ人に対する新たな支持の波の中で、シオニスト政権イスラエルの犯罪を非難しました。
(last modified 2025-09-30T08:27:01+00:00 )
9月 30, 2025 17:23 Asia/Tokyo
  • 北アフリカ・モロッコでガザ支援船団への支持を表明する市民ら
    北アフリカ・モロッコでガザ支援船団への支持を表明する市民ら

アフリカ諸国の指導部や市民らがパレスチナ人に対する新たな支持の波の中で、シオニスト政権イスラエルの犯罪を非難しました。

【ParsToday国際】多くのアフリカ諸国で市民らがデモを行い、パレスチナ人への広範な支持を示すと同時に、同国ガザ地区の戦争でのイスラエルによるガザ住民への前例のない犯罪行為を非難しました。こうしたデモと並行して、一部のアフリカ諸国の指導者らもイスラエルの犯罪行為を非難し、パレスチナの大義への支持を表明しています。

これに関して、南アフリカ・ケープタウンでは3000人以上の活動家、NGO、政党が街頭デモを行い、ガザ戦争を理由とした対イスラエル通商・外交関係の断絶および、首都プレトリアにあるイスラエル大使館の閉鎖を政府に要求しました。このデモは、南アフリカでここ数カ月行われたパレスチナ支援集会の中でも最大規模のデモの一つとされ、親パレスチナ団体、政党、イスラム教およびキリスト教団体が広く参加して行われました。デモ参加者らはパレスチナ国旗を掲げてガザ支援のスローガンを連呼して、ガザ被抑圧民を支援すべく見せかけの行動ではなく実践的な措置を求め、デモ終了後は一連の要求をまとめた請願書を南アフリカ下院に提出しています。

こうした中、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は今月24日、米ニューヨークの国連総会で演説し、国際法とICC国際刑事裁判所の判決を無視しているとしてイスラエル政権を批判し、この政権によるガザ地区での大量虐殺に立ち向かうべく世界規模での行動を求めました。

もう一つの動きとして、北アフリカ・モロッコの最北端タンジールと中部マラケシュの2都市では、市民らがガザ地区封鎖を打破する国際支援船団GSF「グローバル・スムード(忍耐)」を支持するデモ行進を行いました。タンジールでは市民らが、NGO「勝利支援のためのモロッコ・イニシアチブ」の呼びかけにより抗議集会に参加し、プラカードを掲げ、ジェノサイドの終結とGSF船団への支援を訴えました。またマラケシュでも、「パレスチナ支援のためのマグレブ戦線」の呼びかけで同様の集会が開催され、参加者らはプラカードを掲げてモロッコ政府に対し、多数のモロッコ人弁護士、医師、専門家も搭乗しているGSF船団への支援を求めています。

モロッコ国民によるパレスチナ人への圧倒的な支持表明により、シオニスト政権と政治関係を築いてきたモロッコ政府に、この問題に関して明確な立場を取らざるを得なくなりました。この点に関し、モロッコのアジズ・アハヌッシュ首相は国連総会での演説で、ガザ地区における即時停戦と交渉再開を求めました。そして、パレスチナ問題の政治的解決に向けた新たな展望が開かれたこと、そしてパレスチナ人の正当な権利の実現と独立国家パレスチナ樹立に向けたタイムテーブル策定の必要性を強調しています。アハヌッシュ首相は、ガザをこの暗澹たる渦から脱却させるべく国際社会の更なる努力の必要性を強調するとともに、ガザ地区とヨルダン川西岸地区への人道支援の無条件搬入を求めました。

また、チュニジアのモハメド・アリ・アル・ナフティ外相も国連総会での演説で、イスラエルによるガザ住民への壊滅的な戦争を終結させていないとして国連安保理を批判し、この戦争を「諸国民の怒りとフラストレーションの源」とだとしました。そして、パレスチナ人に対する殺害と封鎖が続いている現状を非難し、「国際社会は直ちに行動を起こし、ガザ地区の飢餓と飢饉を終息させる責務がある」と述べています。

加えて、エチオピアのタイ・アツクセレッサ(Taye Atske Selassie)大統領も今月25日夜の第80回国連総会での演説でパレスチナ人の自決権を強調しました。

全体的に、イスラエルに対するアフリカの諸国民、特にアフリカ大陸のイスラム諸国の見方は、パレスチナとの歴史的な連帯感、植民地時代の経験、そして現代の地政学的影響が組み合わさっていると言えます。この見方は、以下のようにいくつかの主要な点にまとめることができます;

これまでの歴史におけるパレスチナとの連帯

- 多くのアフリカ諸国、特に植民地主義と独立闘争を経験した国々は、パレスチナ市民と運命共同体にあるとみなしている

- 故ネルソン・マンデラ氏などのアフリカ解放の指導者らは、繰り返しパレスチナの大義を支持するとともに、イスラエルの占領をかつての南アフリカの人種差別・アパルトヘイトに例えてきた

アフリカのイスラム諸国の立場

- スーダン、マリ、モーリタニア、アルジェリアなどのイスラム教国は通常、イスラエルに対して強硬な姿勢を取っており、パレスチナ人の権利を擁護している

-これに対し、モロッコやスーダンなど一部の国は近年、外交・経済的圧力を受けて対イスラエル関係正常化(アブラハム合意)に踏み切っているが、この問題はこれらの諸国の世論では否定的な反応を受けている

世論とメディア

- 多くのアフリカ社会、特にイスラム教徒の間では、イスラエルは抑圧と占領の象徴と見なされている

- アフリカ諸国の地元メディアやSNSでは多くの場合、イスラエルによるガザやイエメンへの攻撃に関するニュースを批判的な論調で報じられており、パレスチナ人の犠牲者に対する同情も一般に広まっている

公式見解と世論の見方の乖離

- 一部のアフリカ諸国政府は経済または政治的な理由からイスラエルとの関係を拡大しているが、これらの国の多くでは世論は依然としてイスラエルに対して批判的である

- こうした亀裂により、一部の政府は国内の反発を避けるため国際フォーラムでより慎重な立場を取る傾向にある

 

 


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