イラン最高指導者「イスラム教は女性の尊厳を完全に尊重」
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イラン最高指導者のハーメネイー師
イラン最高指導者のハーメネイー師は3日、全国から集まった女性らとの会合で、女性は家庭の「使用人」ではなく「管理者」であると述べました。
【ParsTodayイラン】ハーメネイー師はこの会合での演説で、イスラム教の預言者ムハンマドの娘であるファーティマ・ザフラーを、人生のあらゆる側面における模範として紹介し、イスラム教における女性の地位を説明しつつ、家庭と社会における女性の権利と責任を強調しました。
ハーメネイー師は、ファーティマ・ザフラーが示した、信仰と謙虚さ、献身と寛容、困難や試練に対する忍耐、弱者の権利を守る姿勢、真理を明らかにするための啓蒙、政治的理解と実践、家庭、夫婦関係、子育て、そしてイスラム初期の重要な出来事への参加などについて触れ、次のように述べました。
イランの女性は、預言者が「歴史を通じて全世界の女性たちの長である」と述べた、このファーティマから学び、その目標に向かって歩んでいる
また、ハーメネイー師は、退廃した西洋文化や資本主義的思考はイスラム教の観点から完全に否定されると述べ、イスラム教が女性の尊厳を守り、危険を伴う性的欲求を抑制するために、男女間の関係、男女の衣服、女性のヒジャーブ、結婚の奨励といった面で一定の制限や規定を設け、これらが女性の本性や社会にとっての真の利益・必要性に完全に適合していると述べました。それに対し、西洋文化では性的衝動の抑制はまったく考慮されていないと述べました。
ハーメネイー師は、イスラム教において男性と女性は多くの共通点を持ちながら、身体や生来の性質に由来するいくつかの違いを持つ「調和した2つの要素」であると述べました。そして、これら2つの補完的な要素は、人間社会の運営、人類という種の継続、文明の進歩、社会の必要を満たし生活を営む上で重要な役割を果たしていると説明しました。
そして、この重要な役割の中でも、家庭の形成は最も重要な働きの一つであるとされ、西洋の誤った文化が家族制度を忘却しているのとは対照的に、イスラム教では家族を形づくる「女性、男性、子ども」にそれぞれ明確な相互の権利が定められていると述べました。
ハーメネイー師は「社会的・家庭的行動における公正」を女性の第一の権利と位置付け、この権利を確保することは政府と社会全体の責務であると強調しました。また、「安全、尊重、尊厳の保持」も女性の基本的な権利であり、西洋の資本主義が女性の尊厳を踏みにじっているのとは異なり、イスラム教は女性を完全に尊重することを重視していると述べました。
そして、家庭における女性の最も重要な権利と必要は「夫からの愛情」であり、また家庭での女性にとって大切な別の権利は「いかなる暴力も受けないこと」であると述べました。そして、女性を殺害したり殴打したりするような西洋で見られる逸脱した行為を完全に避けるべきだと強調しました。
ハーメネイー師はその上で、女性は家庭の管理者であり責任者であると述べ、イスラム教において女性は独立、能力、アイデンティティ、そして成長の可能性を持つ一方、西洋の資本主義は女性を男性に従属させ、そのアイデンティティを吸収し、女性の尊厳を無視し、女性を物質的道具や欲望の対象として扱っていると批判しました。そして、その例として現在米国で問題になっているエプスタイン事件を挙げました。
また、西洋が自らの誤った文化を世界に輸出しようと固執していることに触れ、「彼らはヒジャーブなど女性に対する一定の制限が進歩を妨げると主張しているが、イランはこの誤った論理を否定し、イスラムの服装を守るムスリム女性もあらゆる分野で他の誰よりも前に進み活躍できることを示した」と述べました。
ハーメネイー師は、学術、スポーツ、思想、研究、政治、社会、保健・医療、平均寿命の伸長、そして名誉ある殉教者たちの妻たちによる献身的な支援などを、イラン史上前例のない女性の偉大な成果であると述べました。そして、イランは歴史上、これほど多くの女性科学者、思想家、有識者を有したことはなく、女性のあらゆる重要分野への進出と進歩をもたらしたのはイラン・イスラム共和国であったと強調しました。

