イラン騒乱での死者に関する統計を弄ぶトランプ大統領の目的とは?
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物議を醸しているドナルド・トランプ米国大統領
ドナルド・トランプ米大統領が、干渉主義的なアプローチの一環としてイランに関する統計ゲームを開始しました。
【ParsToday国際】米国大統領はまたもやイランに内政干渉し、最近のイランにおける騒乱による死者数が不明であることを認め、軍事行動の可能性を含む自身の行動を正当化するための統計を求めています。トランプ大統領は13日火曜、「誰も正確な数字を提供できなかった。私自身、様々な数字を聞いており、非常に高い数字もあれば、低い数字もあり、極端に高い数字もある。しかし、おそらく今後24時間以内には判明するだろう」と語りました。
また、アメリカ国務省が同国民に対しイランからの退去を勧告したことを受け、自らの同盟国に対しイランからの退去を強く求めました。トランプ氏は「アメリカ国民と同盟国の国民のどちらがイランから退去すべきか」という問いに対し、「イランからの退去は悪い考えではないと思う」とし「もっとも、その前に米国は自国民に対し、イラン国内から直ちに退去するよう求めている」と述べています。
さらにトランプ大統領は「抗議活動者への支援」に関する以前のメッセージについて、それ以上の説明を差し控えるとともに、「この問題はあなた自身で理解すべきだ」と曖昧な口調で付け加えました。この点に関して、米共和党で最も影響力のある上院議員の一人、リンゼイ・グラハム氏はトランプ大統領に宛てたメッセージの中で、イラン政府がトランプ大統領の「レッドライン」を越えたと主張しています。
イランでの騒乱に関するトランプ氏矛盾した曖昧な発言は人道的・人権的懸念から生じたものではなく、米国政府が死者数を誇張し、イランへの介入、さらには軍事的措置への道筋をつけようとしていることを示唆しています。トランプ大統領は「死者数は不確実」と述べておきながら、同時に「非常に高い数字」も耳にしたと報告しています。有識者らの見解では、これはアメリカが次の行動を正当化する目的で、政治的・メディア的な圧力をかけるための戦略だとされています。検証されていない統計を繰り返し強調し、アメリカ国民にイランからの退去を勧告したことは、ホワイトハウスがイランに対して安全保障上かつ危機的なムードを創出していることを物語っています。
トランプ大統領は13日火曜、自らの立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」上で、継続する騒乱を公然と支持し、イラン国民に諸機関を掌握するよう促しました。これは主権国家への内政直接介入の明白な例だと言えます。これに先立ち、トランプ大統領はイラン当局者と会談する可能性があると述べていたと同時に「今回の事態を踏まえると、会談前に行動を起こす可能性もある」と警告していました。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはアメリカ当局者の話として「トランプ大統領はまだ最終決定を下していないものの、現在はイランを攻撃する意向だが、行動方針を変更する可能性もある」と報じました。一部の政権当局者は同紙に対し「トランプ大統領はまずイランを攻撃し、その後交渉を求める可能性がある」と語っています。
これまでにも様々な言動で物議を醸しているこの米国大統領は、イランへの最大限の圧力行使政策に沿って、イランと経済、貿易、エネルギー分野で交流のある国々に対して新たな脅威を発動しました。トランプ大統領は13日火曜には「即時発効。イランと取引を行う国は、米国とのあらゆる貿易に25%の関税を課す」とする大統領令を発令しています。
米国大統領がイランの抗議活動による死者数を強調しようとする試みには、いくつかの明確な目的があるように思われます。このアプローチの機能の一つは、イランに対する国際的な圧力を強めることです。トランプ大統領は公式メッセージの中で「イラン国民に抗議活動を続けるよう」呼びかけ、イラン政府が「大きな代償を払うことになる」と警告していますが、これらのメッセージは、イラン・イスラム共和国という国の正統性の喪失を狙った動きという文脈で分析できます。また、死者数を誇張することで、国際世論が益々イラン情勢に神経を尖らせるようになり、政治的行動、さらには軍事的脅迫のお膳立てをする可能性もあります。この点は、米ABCニュースを含む西側諸国のメディアも、米国政府が軍事的選択肢を検討していることについて指摘している点です。
一方、イランの騒乱における死者数に関する高い数字の主張は、米国の国内政治にも影響を及ぼす可能性があります。外交政策が政治競争の主要な軸の1つとなっている状況において、イランに対して毅然とした態度を示すことは、トランプ氏にとって選挙戦において重要な意味を持つ可能性があります。この点について、アメリカの政治専門サイト「ポリティコ」は、トランプ氏が脅迫と並行して、イランが「交渉を要請した」と主張していると報じています。この主張は、米国内で彼の圧力行使が成功した兆候と捉えられるかもしれません。
総じて、トランプ米国大統領の突飛で不安定な行動は、トランプ政権の外交政策の不安定さ、そして昨年6月の12日間戦争後にはイランに対する圧力行使と一方的な決定の押し付けを企てていることを反映しています。アナリストらの間では、こうした矛盾は国際舞台における米国のイメージを下げるだけでなく、アメリカの外交政策が現場の現実や人道的懸念ではなく、メディアによる情報発信と政治的圧力に基づいて立案されていることを示していることが指摘されています。こうしたアプローチは、米国の主な目的が、最近の混乱におけるイラン国民への支援ではなく、この状況を政治的・軍事的に利用し、イランに対する圧力をかけ、一方的な政策を実行することにあることを物語っているのです。

