独首相の調停、仏大統領の憤怒、そして世界経済へのトランプ氏の大きな賭け
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トランプ米大統領の侵略的な政策(欧州との貿易戦争からグリーンランド問題、イランへの圧力行使に至るまで)は世界の安全保障と経済秩序を揺るがしています。
(last modified 2026-01-21T05:00:23+00:00 )
1月 21, 2026 13:29 Asia/Tokyo
  • トランプ大統領と彼の世界併呑政策
    トランプ大統領と彼の世界併呑政策

トランプ米大統領の侵略的な政策(欧州との貿易戦争からグリーンランド問題、イランへの圧力行使に至るまで)は世界の安全保障と経済秩序を揺るがしています。

【ParsToday国際】米国の外交政策が再び圧力、脅迫、そして一方的な行動に傾く中、ヨーロッパは憤怒、消極的な態度、そして既存秩序の崩壊への恐怖の間で混乱し揺れ動いています。ドイツによる対米貿易摩擦抑制に向けた水面下での取り組みから、物議を醸すグリーンランド問題、そしてイランへの圧力強化に至るまで、トランプ大統領の新たな計画はアメリカの同盟国だけでなく、世界経済と安全保障の基盤にも挑戦状を突きつけていることを示唆する兆候が見受けられます。

メルツ独首相がマクロン・トランプ貿易戦争の調停者となる時

アメリカの国際情報サイト・ブルームバーグは、マクロン仏大統領の怒りを鎮めようと苦闘するドイツのフリードリヒ・メルツ首相をタイトルにしました。ブルームバーグは「メルツ首相は、トランプ大統領が欧州同盟国に新たな貿易関税を課すという最新の脅迫に対し、フランスのエマニュエル・マクロン大統領の対応を和らげるよう説得しようとしている」と報じています。ブルームバーグはこれに先立ち、マクロン大統領がいわゆる「EU反強制措置」の発動を要請する計画だと報じていましたが、メルツ首相は19日月曜、「ドイツは輸出に依存しているため、EUにとって最も強力な貿易報復措置を講じる可能性は低い」と述べています。

トランプ大統領は、最近では「力」という言葉を力そのものよりも頻繁に使うものの、グリーンランドに関しては「力」という言葉すら使っていません。これはメディアの記者らには奇妙に映りましたが、他の場面ではグリーンランドをめぐる戦争への扉を開いた格好となりました。

ランプ氏、グリーンランドを「武力では望まない」が平和路線にも消極的

NBCの報道によると、トランプ前米大統領はグリーンランドの獲得に向けた動きを強めている。現時点では、10%、さらに25%の関税を課す可能性を示唆するなど、圧力は主に経済的手段にとどまっています。トランプ氏はNBCニュースとの短い電話インタビューで、「グリーンランドを武力で奪取するつもりがあるのか」と問われ、「特に意見はない」と答え、明確な否定は避けました。

一方で、トランプ氏はノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相に送ったテキストメッセージの中で、グリーンランド問題が昨年のノーベル平和賞を受賞できなかった主因だとの認識を示しました。トランプ氏はメッセージの中で、「あなたの国が『8つの戦争を止めた』ことを理由に私にノーベル平和賞を与えないと決めた以上、もはや私は、ただ平和だけを考える義務を感じていない」と述べたといいます。こうした発言は、トランプ氏が武力行使を明言しない一方で、平和的解決にも強い関心を示していない姿勢を浮き彫りにしています。

これまで米国の政策を全面的に支持してきた欧州諸国は、現在ではその影響を直接受ける立場に置かれています。かつてワシントンを支えてきた国々が、今や米国の圧力の「当事者」となりつつあるとの見方も出ています。

グリーンランドはNATOとEU崩壊の鍵か
欧州外交評議会(ECFR)は、欧州の指導者たちが断固とした行動を取らなければ、グリーンランドの米国併合はNATOだけでなく、欧州連合(EU)そのものを崩壊させかねないとの見解を示しました。

同評議会は、その理由について次のように分析しています。「NATOの存在理由は加盟国の集団安全保障にあります。したがって、米国がその力を同盟国に向けた瞬間、NATOは崩壊します。NATOは軍事同盟であると同時に政治組織でもあります。併合の翌日には、北大西洋理事会は無意味な存在となるでしょう。NATOはもはや民主主義国家の同盟ではなく、21世紀版のワルシャワ条約機構に成り下がる」

EUへの影響についても、ECFRは次のように警告しています。「グリーンランドの併合は、EUの中核的価値である『連帯』を破壊します。さらに深刻なのは、各加盟国がどのように対応すべきかを巡って分裂すれば、EUに致命的な打撃を与える可能性があるという点だ」

ECFRは、トランプ前大統領が進める近年の植民地主義的構想は、国際組織や同盟の破壊にとどまらず、世界経済全体を危険な賭けに引きずり込んでいると指摘します。

イランへの圧力は米国主導の世界経済秩序を崩壊させる

中国の国際放送CGTNは、李浩然・応用経済学部准教授(世界エネルギー戦略研究センター副主任)と、龔和強・中国南方電網副総経理による共同論考を掲載し、トランプ氏の対イラン政策を「ドクトリン・ダンロー(新モンロー主義)」として強く警告しました。

論文によれば、本来のモンロー主義は地理的に限定され、西半球から域外勢力を排除することを目的としていた。しかしトランプ氏は、このドクトリンを世界規模に拡張し、イランに適用することで同国のエネルギー管理を掌握しようとしているといいます。

筆者らは次のように指摘します。「トランプはイランに対し極限的な圧力を加えることで、テヘランの選択肢を変えただけでなく、かつて米国の影響力を支えていた世界経済秩序の崩壊を加速させている」

 

 


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