イスラエル首相が4段階にわたるヨルダン川西岸併合を計画
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シオニスト政権イスラエルのネタニヤフ内閣が8日日曜にヨルダン川西岸地域に関して下した決定は、シオニスト占領軍との妥協下でパレスチナ人の権利獲得が可能と信じていた人々の幻想と希望に最後の止めを刺した格好となりました。
(last modified 2026-02-09T07:27:19+00:00 )
2月 09, 2026 16:22 Asia/Tokyo
  • パレスチナ・ヨルダン川西岸のシオニスト入植地
    パレスチナ・ヨルダン川西岸のシオニスト入植地

シオニスト政権イスラエルのネタニヤフ内閣が8日日曜にヨルダン川西岸地域に関して下した決定は、シオニスト占領軍との妥協下でパレスチナ人の権利獲得が可能と信じていた人々の幻想と希望に最後の止めを刺した格好となりました。

【ParsToday西アジア】ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるイスラエル安全保障内閣(ベザレル・スモトリッチ財務相やイスラエル・カッツ戦争相といった強硬派閣僚を中心とする)が同日に下した決定は、政治評論家やパレスチナ団体からオスロ合意(1993年にノルウェー首都オスロで成立した、イスラエルとPLOパレスチナ解放機構が相互承認し、パレスチナの暫定自治と最終的な和平交渉の枠組みを定めた合意)という棺に打ち込まれた最後の釘、つまり最後の止めと評されています。

これらの決定は、パレスチナ被占領地の広範囲な占領および、ヨルダン川西岸の実質的な併合の促進というネタニヤフ首相の計画実行に向けた最も直接的な足がかりとみなされています。

現状の変更に向けた歴史的決議の詳細

イスラエル内閣の拡張主義的決議は4つの骨子に基づいており、その各々がシオニストの存在を定着化し、パレスチナ国家構想に終止符を打つ、という最終目標を推進するものとなっています。そうした4つの骨子とは第1に、ヨルダンによる統治時代の法律の廃止が挙げられます。この法律は数十年にわたり、ヨルダン川西岸地域におけるシオニストへの土地売却を禁じてきました。第2の骨子は、土地取引に関する複雑な行政要件と特別許可を撤廃し、シオニスト入植者による土地購入の簡易化・円滑化を図ることです。第3の骨子は、長年活動を停止していた「公有地取得委員会」の再稼働により、イスラエルが入植地拡張のために直接土地を購入できるようにすることです。そして第4の骨子は、パレスチナ自治政府の部分的な管理下にあるA地区とB地区におけるイスラエル機関の執行権限を大幅に拡大することです。これらの権限は、環境、水管理、遺跡の保護、さらには宗教施設の監視といったデリケートな分野にまで及びます。

パレスチナ各団体:「イスラエルはヨルダン川西岸の併合を画策」

シオニスト系新聞イスラエル・タイムズ紙によりますと、マフムード・アッバス議長率いるパレスチナ自治政府は声明において、今回の決定を「危険」、「違法」、「ヨルダン川西岸地区の併合と人口構成の変更を企てる明白な挑戦」だとしました。自治政府議長事務所はまた、これを「パレスチナ市民に対する包括的な戦争の継続」であり、「併合と強制移住計画の事実上の実行」であるとも表明しています。パレスチナ自治政府のフセイン・アル・シェイフ副議長も、上記の決議が「事実上、これまでのすべての合意を破壊した」ことを公然と認めました。一方、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスはこの行動を「民族浄化」と「存在への脅迫」の一例だとし、同抵抗組織のハゼム・カセム(Hazem Qasim)報道官は、団結と抵抗の強化の必要性を強調しています。

また、パレスチナの政党の1つ、PNIパレスチナ国家イニシアチブもこれらの決定を「1967年以来最も危険な行動」だとし、「オスロ合意の棺に打ち込む最後の釘」であると評しました。

パレスチナの各抵抗グループは声明の中で、「イスラエル占領政権の安全保障閣議によるヨルダン川西岸地域のA地区およびへの統制強化の承認に関する新たな決定は、同地域の実質的な併合を意味し、新たな現場の現実を突きつけ、ヨルダン川西岸におけるパレスチナ人の存在を終止に追い込むものである」と強調しました。

アメリカの矛盾した関与:言行の不一致

ネタニヤフ首相の米ワシントン訪問前にイスラエル内閣で今回の議決が承認されたことは、同首相が長年の同盟国である米国からの重大な反応をそれほど懸念していないことを示しています。そもそも、この自信・確信は、米国がこれまで辿ってきた明白な矛盾の歴史に根ざしたものです。大統領や国務長官を含む米国当局者は、声明や公式見解においては、常にシオニスト入植地建設を違法かつ平和への障害と位置付け、占領と併合に反対を表明してきました。しかし実際には、アメリカは毎年数十億ドルに上る軍事支援を提供し(その大部分は入植地の保護とヨルダン川西岸における軍事駐留の強化に充当)ている上、国連安保理において繰り返し拒否権を行使して対イスラエル非難決議の採択を阻止することで、占領の継続・深化を最も強く支持し、助長してきた格好となっています。この明白な偽善ぶりによりイスラエルにとって安心なムードが生じ、ネタニヤフ首相はぬけぬけと占領目標を推進しているのです。

イスラエルNGO:「この決議はパレスチナ人の難民化をまねく」

1967年のヨルダン川西岸地区および、聖地ベイトルモガッダス・東エルサレムの占領後、現在これらの地域では推定300万人のパレスチナ人とともに、70万人以上のシオニスト入植者が暮らしています。これらの入植地は国際法上違法とみなされており、国連も二国家解決の実現に対する主要な障害と見なしています。その理由は、これらの入植地により、将来において分断されないパレスチナ領土が実現できなくなるからです。イスラエルのNGOピース・ナウも「新たな入植地の一部が、没収された土地やパレスチナ人の人口密集地域、さらには2005年に撤退した入植地の跡地に建設されることから、最近の決議はさらに多くのパレスチナ人の難民化をまねくだろう」と警告しています。

 


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