解説;イラン近隣国における米軍の駐留継続、イスラマバード覚書に矛盾した動向
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地域に駐留するアメリカ軍
西アジア地域における米軍の駐留、特にペルシャ湾岸諸国に多数の大規模な基地が存在することは常に、情勢不安と緊張の高まりの主要因となってきました。
【ParsToday国際】この問題は、米国とシオニスト政権イスラエルがイランに対し仕掛けた最近の40日間戦争と、それに続くイスラマバード覚書の署名を踏まえると、より明確に検討できます。この戦争の前後における米軍の配備状況とイスラマバード覚書の条項との比較研究によれば、これらの基地の存在とその継続的な運用は、この合意覚書の平和的な精神に反すると共に、地域の平和と安全に対する恒久的な脅威にもなっています。
米国は数十年にわたり、西アジアに広範な軍事基地ネットワークを構築してきました。これまでに入ってきている報告によれば、米国は地域の12か国以上、少なくとも19か所に、常時4万から5万人の兵士を常駐または一時的に駐留させています。このネットワークには、8つの固定基地および、米軍が利用可能な11の施設が含まれます。そして、これらの基地の中で最も重要なものの1つが、カタールのアル・ウデイド空軍基地です。約1万人の人員を擁するこの基地は、西アジア最大の米軍基地とされ、西アジアなどを管轄するCENTCOM米中央軍の前線司令部として機能しています。
加えて、バーレーンには米第5艦隊が駐留しており、クウェートにも広大なアメリカの陸軍基地と空軍基地が存在します。また、サウジアラビアとUAEアラブ首長国連邦にも大規模な軍事基地があります。これらの基地の大半はイラン国境に比較的近い場所に位置しており、イランへの威嚇や、圧力行使のための拠点として常に利用されてきました。最近の40日間戦争以前から、こうした攻撃的な軍事姿勢は地域に絶え間ない緊張状態を生み出し、いつ軍事衝突が起きてもおかしくない状況を作り出していました。
2026年2月28日に始まった米とシオニスト政権イスラエルによる対イラン攻撃により、これらの基地の脅威的な性質が明らかになりました。この戦争において、イランは西アジアの様々な国にある米軍施設、特に複数の軍事基地を標的とした大規模な攻撃で応酬しました。複数の報道によれば、この紛争で多くの米軍施設が損傷、または破壊されました。
イランによるミサイル・無人機攻撃で、地域にある主要な米軍基地、特にイラン近隣国にある基地が報復攻撃に対して極めて脆弱であることが浮き彫りになりました。米中央軍司令官は予てから、この脆弱性に気付いていましたが、今回の事態は、地域における米軍の大規模な駐留が国家安全保障を確保せず、逆に攻撃の標的となり、多大なコストを招いていることを事実上証明した形となっています。推定によれば、地域で損傷した米軍基地の再建費用は500億ドルに達する可能性があり、2026年9月末までの戦争の総費用は約3750億ドルと見積もられています。
この戦争とその後の混乱を受けて、パキスタン首都イスラマバードにおいて、米国とイランにより停戦合意覚書が締結されました。この文書は正式には「アメリカ合衆国とイラン・イスラム共和国間のイスラマバード覚書」と呼ばれ、14の条項から構成されています。この覚書の第1条では、両国は「互いに対する戦争や軍事作戦の開始、また互いに対する武力による威嚇や武力行使を控える」ことを誓約しました。また第2条では、両国は互いの主権と領土保全の尊重、および相互間の内政不干渉を強調しています。
しかし、根本的な問題は、こうした明確な約束にもかかわらず、米国がイラン周辺の軍事基地の解体または大幅な縮小に向けた措置を一切講じていない上、覚書第4条では単に「最終合意から30日以内にイラン周辺から軍隊を撤退させる」と述べるにとどまっている点にあります。この曖昧で条件付きの表現は、攻撃的な軍事駐留の終結という確固たる約束ではなく、現状維持を示唆した格好になっています。
これらの基地の継続的な運用は、事実上イスラマバード覚書の規定に違反するものです。米国はイラン国境から数百キロ圏内に数十もの軍事基地を設置し、あらゆる種類の最新鋭軍事装備、戦闘機、ミサイル発射装置を配備しています。これは「武力行使の脅威」とみなされ、覚書の冒頭で明確に禁止されている行為です。これらの基地の攻撃的な性質は、地域における軍事作戦の計画と実行を担う米中央軍がまさにこれらの基地の中心地であるカタールに位置していることを考えると、さらに明白になります。したがって、これらの基地は単なる防衛施設ではなく、潜在的および実際の攻撃作戦の指揮統制センターでもあります。
こうした中、米国の軍および情報機関の高官でさえも、西アジアにおける軍事配備の現在の構造が冷戦時代の遺物であり、今日の地域の現実にはそぐわないことを認めています。フランク・マッケンジー元CENTCOM司令官は、「正気な人間なら、CENTCOMの前線司令部をイランから100マイル(約160㎞)以上離れた場所(カタール)に置くことはないだろう」と忌憚ない見解を述べています。米軍高官がこの問題を認めていることは、これらの基地が防衛上の必要性からではなく、イランや他の地域諸国に戦略的な影響力を及ぼし圧力をかける手段として維持されていることを裏付けています。
さらに、アメリカが40日間の戦争後、軍事駐留の終結でも地域からの撤退でもなく、再配置を図ろうとしていることを示唆する証拠が存在しています。複数の報道によれば、米国防総省はペルシャ湾からヨルダン、占領下のパレスチナ、そしてサウジアラビアの紅海沿岸への部隊移転を検討しています。イランの攻撃に対する脆弱性の補填を名目としたこの移転は、実際には軍事駐留の続行、さらには新たな地域への拡大を意味します。このような動きは緊張緩和にはつながらず、地域内のより多くの国々に情勢不安を広げ、不安定さに拍車をかける可能性があります。
以上のような事柄を踏まえると、西アジアにおける多数の米軍基地の存在とその継続的な運用は、平和にとって極めて挑発的かつ敵対的なものであると言わざるを得ません。最近の40日間の戦争は、これらの基地が抑止力ではなく危機の温床となり、反撃の標的となることを明確に示しました。重要なことは、地域の恒久平和は、地域外の外国軍の完全撤退と米軍基地網の解体により、地域諸国が地域外からの干渉や脅迫を受けずに安全保障を確保できるか否かにかかっているということです。これらの基地の存続は、西アジアの平和と安定に向けたあらゆる努力にとって深刻な障害となり、地域に緊張と不安定を引き起こすことになるのです。
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