解説;米国がイランの協力国に対する制裁行使を恐れる理由とは?
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アメリカが前代未聞の宣伝とともに大規模な対イラン経済戦争を仕掛けようとしている中、現場で最も顕著に表れているのは、いわゆる制裁措置の圧倒的な効果ではなく、アメリカ当局者の発言の矛盾と動揺ぶりです。
(last modified 2026-08-26T11:00:36+00:00 )
8月 26, 2026 19:57 Asia/Tokyo
  • スコット・ベッセント米財務長官
    スコット・ベッセント米財務長官

アメリカが前代未聞の宣伝とともに大規模な対イラン経済戦争を仕掛けようとしている中、現場で最も顕著に表れているのは、いわゆる制裁措置の圧倒的な効果ではなく、アメリカ当局者の発言の矛盾と動揺ぶりです。

【ParsToday国際】「経済Dデー」または「イランに対する大規模な経済攻撃作戦」をめぐる構想と、スコット・ベッセント米財務長官に対するガーリーバーフ・イラン国会議長の皮肉めいた反論からは、アメリカが実際に陥っている複雑な状況を完全に反映しています。つまり、イランと協力する国々を罰するという脅迫は権力者の立場からではなく、恐怖と絶望から発せられているということです。

先だって、英紙フィナンシャル・タイムズの記事で、新たな対イラン制裁を第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦になぞらえていたベッセント長官は、翌日の記者会見でこの主張の空虚さを突かれ、「まさか私が世界経済を爆破しようとしているのか?!」と答える場面がありました。この明らかな後退・立場変更は、ガーリーバーフ国会議長が「X」に投稿した皮肉の題材に使われています。その皮肉とは「このショーは『ノルマンディー作戦』とは全然似ていなかった。ナイトクラブでの滑稽なスタンダップコメディで、あなた滑稽なセリフさえ忘れてしまっていた」というものです。ガーリーバーフ氏はメッセージに道化師の絵文字を添えることで、主役が適切な役柄を与えられていないだけでなく、劇の台本まで忘れてしまっているという、空虚な演劇の情景を描き出しています。

しかし、この痛烈な皮肉はともかく、この出来事を考察の価値ある対象へと転じさせるものは、米国が新たな対イラン制裁への参加を拒否する国々への処罰を恐れている理由の分析です。米国は「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト(経済的締め出し)」と呼ばれる作戦で、二次制裁の対象をデジタル資産、テクノロジー、金(ゴールド)、航空、船舶の5つの主要分野に拡大し、60以上の団体、個人、船舶に制裁を行使しました。ベッセント長官によれば、この作戦の目的は「イランが完全に孤立するまで、同国を支えるすべての経済動脈を遮断すること」にあります。

しかし、アメリカは、こうした広範な脅迫が大きな障害に直面していることを十分に認識しています。今日の世界は、米国政府からの命令で簡単には断ち切れない、複雑な経済的結びつきと相互依存関係で成り立っています。実際に中国、トルコ、UAEアラブ首長国連邦などはイランの最大の貿易相手国であり、これらの国々に対する制裁は、世界経済体制を混乱させるのみならず、米国経済とその同盟国にも大きな負担を強いることになります。ベッセント長官が記者会見で「まさか私が世界経済を崩壊させたがっているのか?」と答えたのは、まさにこの事実を認めたものです。米国は、イランの貿易相手国に二次制裁を課すことが、制御不能な国際的な影響を伴う本格的な経済戦争に発展しかねないことを熟知しているのです。

さらにこれまでの歴史的な経験からは、過去数十年の米国の一方的な制裁が失敗に終わった上、制裁対象国に世界経済と関わる他の代替ルート模索させる結果となったことが明らかになっています。一方、非西側諸国、特に中国とロシアは主要経済大国として常に、経済貿易の大幅な拡大、二国間金融協力、ドル準備高の削減といった手段を通じて、ドルの支配力と米国の制裁の克服を試みてきました。アメリカは、これらの国々に対するあらゆる懲罰的措置が相互的な反応、さらには米国の役割と影響力が大幅に低下する新たな経済圏の形成につながることを十分に認識しています。

もう一つの点は、米国がこうした行動の政治的影響を懸念していることです。イラン外務省のエスマーイール・バガーイー報道官はこうした脅迫に対し、同様の反応として声明を発表し、「横暴者が、すべての銀行、企業、港湾、政府に対し、アメリカに従うか、アメリカの報復に直面するかの選択を迫るとき、それはもはやイランだけに関する問題ではない」としました。この声明は、第三国への制裁の示唆脅迫が単なる経済措置ではなく、世界各国の国家主権と政治的独立に対する深刻な挑戦であることを明確に示しています。多くの国、特にグローバル・サウスの国々は、こうした行動を「経済テロ」の一形態とみなしており、アメリカの脅迫と引き換えに自国の独立を安易に手放そうとはさらさら考えていません。

一方、ベッセント長官が「パスカルの賭け」について述べた発言、すなわち各国に対し対イラン協力の結果を慎重に計算するよう求めた発言は、国際社会を説得することへのある種の絶望を物語っています。

同時に、アメリカが脅迫内容を実行に移すことを恐れる背景には、制裁という手段が時間の経過とともに効果を失ってきたという事実があります。イランは過去40年間にわたり、抵抗経済に依拠して貿易相手国を多様化し、米ドルへの依存度を低下させることで、前例のない圧力をものともせず経済活動を継続してきました。また、ベッセント長官が「イランの軍事力の相当の部分を破壊した」と主張する米国の対イラン軍事攻撃でさえも、抵抗というイランの政治的意思を打ち砕くには至っていません。

このことから、アメリカはイランを降伏させるのに十分な軍事力も持たず、全面的な経済封鎖の成功をも確信できない状況にあります。

どうやら、ガーリーバーフ国会議長を嚆矢としたイラン当局者によるこの舌戦への皮肉めいた反応は、単なる感情的な反応ではなく、客観的な現実を描写したもののように思われます。今やアメリカは自ら、仕掛けた罠にはまっている状態です。つまり、イメージを維持するために脅迫やレトリックを使わざるを得ない一方で、こうした脅迫がもたらす実際的な結果を恐れているという、何とも矛盾した状況にあるのです。ガーリーバーフ国会議長の知見では、ベッセント長官が記者会見で演じた芝居は「勝利の日」ではなく「道化の日」だったと言えます。つまり、舞台上の主役が台本を忘れた上に、世界中の観客もこの芝居が空虚な虚勢に過ぎないことを完全に悟ってしまった日だったのです。

ベッセント長官が言う「経済的締め出し」作戦は、書類上やメディア上でこそ華々しく見えるかもしれないものの、実際には、失敗への恐れから矛盾に陥った、失敗した戦略の最後のあがきに過ぎないのです。

 


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