9.11へのサウジアラビア関与の疑惑
アメリカの関係者や、ワシントンのサウジアラビア王国を支持するロビーが、2001年のアメリカ同時多発テロ事件へのサウジアラビアの関与を覆い隠そうとしている中で、再び、この事件とサウジアラビア政府の関係が明らかにされました。
モハンマディ解説員
CNNは、6日土曜、9.11に関する28ページの機密文書について伝えました。この文書では、サウジアラビア、特に元駐アメリカ大使のバンダル・ビン・スルタン氏のこの事件への関与の他、彼とクリントン氏やブッシュ元大統領との緊密な関係が指摘されています。この報告によれば、公開された文書では、9.11の一部の実行犯とバンダル元大使が、間接的に電話で連絡を取ったことが証明されていますが、アメリカの関係者や、アメリカのサウジアラビアを支持するロビーは、この事件へのサウジアラビアの関与を覆い隠そうとしています。
バンダル元大使とアメリカの政府・議会関係者との緊密な関係により、これまで、9.11へのサウジアラビアの関与は隠蔽されてきました。今年6月、サウジアラビア皇太子は、この国の政府が、クリントン氏の選挙事務所の費用の5分の1をまかなっていることを認めました。クリントン氏は、この主張を否定しましたが、その費用収支の内訳に関する情報が発表されて物議をかもし、アメリカのメディアは、サウジアラビアがアメリカへの資金提供を続ける限り、アメリカが9.11へのサウジアラビアの関与を追及することはないとしています。
先月、サウジアラビアが、アメリカの銀行からの外貨預金の持ち出しを示唆した後、アメリカ議会の調査委員会は、9.11についてのサウジアラビアに不利な報告の発表に抗議し、「9.11へのサウジアラビアの関与について、まだ確信を持って見解を表明することはできない」と主張しました。これは当然、サウジアラビアに支持されています。
アメリカの政府関係者は、実際、9.11に関する機密文書が公開されることで、西アジアのアメリカの重要なパートナーであるサウジアラビアとの外交関係が損なわれるのを恐れていました。今回の報告により、再度、テロとの戦いという彼らが主張する政策に疑問が投げかけられています。世界の世論にとって、この攻撃へのサウジアラビア政府の関与は明らかです。
こうした中、9.11からおよそ15年が経過する中で、世論は今も、この事件の事実が明らかになるのを待たなければいけないようです。しかし、遅かれ早かれ、この事件の真実も、アメリカ情報機関で機密扱いされている他の文書と同様に、国際社会に明らかにされることでしょう。