アメリカの核攻撃示唆に対するロシアの反応
ロシア外務省が29日木曜、厳しい口調の声明の中で、アメリカの核攻撃の示唆に関して警告を発しました。
ミールターヘル解説員
ロシア外務省はアメリカのカーター国防長官の26日月曜の声明について触れ、それをロシアへの核兵器による攻撃を示唆したものだとしました。カーター長官は核による脅迫的な行動をとっているとしてロシアを非難し、「冷戦後、今もロシアをけん制するために核兵器が必要だ」と述べました。
世界の核兵器削減に向けた努力に関するアメリカの主張にもかかわらず、この国は現在の核兵器の新型化、再開発に向けた大規模な計画を実行しています。アメリカの国防次官は2015年6月、強力な核の抑止力は依然としてアメリカの国家安全保障のために重要で必須のものとなるだろう、と強調しています。ロシアによれば、NPT核兵器不拡散条約の存在にもかかわらず、アメリカはこれまで同様、核兵器を維持しようとしているということです。このような行動は、とくにアメリカのライバル国であるロシアや中国の核開発を口実に行われています。特にロシアは戦略的核兵器の再開発に莫大な費用を当てています。これに関してロシアは2020年までに戦略的核兵器の70%以上を新型のものにしようとしています。こうした中、アメリカはロシアよりもさらに大規模な計画を考えています。アメリカの会計局は2015年8月の報告の中で、アメリカ政府の25年間の核兵器開発計画には2930億ドル以上の費用が見込まれているとしました。NPTなどの核兵器削減に向けた国際的な措置にもかかわらず、核の大国はこれまで同様、新型核兵器の開発を追求しています。これに関して、アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの核5大国は、核兵器やその発射システムを配備、製造したり、こうした措置を実行しようとしています。実際、これらの国々は真剣に核兵器の削減、その段階的削減の計画を考えていないのです。
実際、アメリカ政府は公然と、自国や同盟国の国家安全保障を理由に核の先制攻撃を行う可能性があると他国を脅迫しています。こうした中、ロシアはロシアの現在の軍事政策において、攻撃を抑止するための核兵器の使用が考慮されていると表明しています。中国もまた、「核の先制攻撃は行わない。攻撃された場合にのみこの兵器を使用する」と述べています。