3月 01, 2017 18:11 Asia/Tokyo
  • アメリカ大統領に対する貿易戦争の勃発に関する警告

アメリカ政府の新たな貿易政策に対する懸念の高まりと共に、WTO世界貿易機関は、トランプ大統領の保護主義に関して警告を発しました。

WTOのアゼベド事務局長は、アメリカ政府の政策により貿易戦争が開始される可能性に懸念を表し、「貿易なくして、アメリカは決して大国にはならない」と述べました。同事務局長は、トランプ氏の貿易障害、制裁的な関税を世界経済に悲劇をもたらすものだとしました。さらに、「トランプ氏は商品に関税をかけてアメリカ企業を支持するのではなく、アメリカ経済を長期的な教育的投資によって強化すべきだ」と述べました。

これ以前、世界の経済、貿易機関は、アメリカ政府の保護政策と貿易戦争の勃発に関して警告を発していました。この中で、IMF国際通貨基金、EUの関係者、経済・貿易大国を指摘することができます。メキシコは、アメリカへの輸出に20%の関税がかけられた場合、NAFTA北米貿易協定の協議から脱退するだろうと表明しました。

ここ数年の変化は、2007年と2008年の経済危機が、世界市場の連帯を崩し、欧米でのナショナリズムの政策や、一部では過激な流れが出現することで、世界は貿易戦争の方向に向かっていることを示しています。この中で、アメリカは非常に大きな役割を有しており、2016年、2兆2050億ドル以上の輸入により、世界トップに立っていました。アメリカの輸入額は2015年も、1兆5980億ドルで、中国とEU28カ国に次いで、世界第三位となっていました。このため、アメリカ政府の貿易の方針の変更は、直接、間接的に世界の貿易に影響を及ぼすでしょう。トランプ大統領は、輸入関税により、さらにはアメリカの一部生産者に課税することで、貿易のライバルからアメリカの経済を保護しようとしています。

経済のグローバル化は、最終的にアメリカにとって好ましからざる結果をもたらしました。一部の産業の消滅や数百万人の雇用喪失、移民労働者の流入と労働者層の深まる不満などです。現在、アメリカの新政府は、国内の生産を強化し経済の優勢を維持するために、アメリカ・ファーストというスローガンを掲げ、この70年の政策とは反対の方向に進んでいます。

ネオリアリズムの経済理論の支持者は、WTOの事務局長が述べたように、アメリカの貿易や産業の力が落ちているという問題は、経済がうまく回っていないこと、この国の経済や産業の下部構造が重視されていないことなどが原因だとしており、保護政策に向かうことは貿易戦争勃発の危険を増すだけだとしています。そうした戦争がもし始まれば、アメリカは最終的に敗者となるでしょう。

タグ