アメリカ大統領、貿易合意への宣戦布告
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トランプ大統領
アメリカのトランプ大統領が、数カ国間の貿易合意はくもの糸のようだとし、今後は二国間の貿易協定のみを締結するとしました。トランプ大統領は、フロリダ州ペンサコラで開催された集会で支持者を前に、次のように語りました。
「我々は、他国と二国間合意を締結しようとしている。これらの国の対応が正しいものでなかった場合、彼らには契約破棄の書簡を送付する」
トランプ大統領はまた、数カ国の貿易合意はクモの糸と同じだとし、「この合意は、アメリカがしかるべき形で、集団の合意から離脱するのを許さない」としました。
トランプ大統領は、貿易や金融面でのグローバル化に強く反対しています。
トランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」、「バイ・アメリカン」などのスローガンにより、世界の政治や経済分野で、集団の協力に基づいて形作られた制度や体制を揺るがしています。アメリカのナショナリストによれば、この20年のグローバル化の流れは、アメリカの経済成長を停滞させ、アメリカ人の労働者の失業の増加や雇用機会の喪失といった影響をもたらしてきました。彼らは、関税の撤廃や市場の平等化により、外国の安価な製品がアメリカの市場に流れ込み、アメリカの企業も、さらなる利益を求め、生産活動を国外に移転することになると考えています。そのため、近年、アメリカの貿易赤字が拡大しているのです。ドイツ外交関係評議会の専門家の一人、バイパーフォード氏は、次のように語っています。
「アメリカは、もはや、世界のリーダーであり続けることを求めてはいない。これからは単独で行動することを求めている」
トランプ大統領は、このような流れに対抗すると約束しています。貿易協定の見直し、輸入製品の関税の増加、工場を海外に移転した企業に対する罰金などが、グローバル化による経済的、社会的影響に対処するためのアメリカ政府の措置となっています。
こうした中、アメリカの消費主義傾向や経済力の低下に注目すると、アメリカ政府の貿易支援策の道のりは困難なものになるでしょう。また、アメリカの貿易パートナーが、集団の貿易協定を脱退し、アメリカとの二国間協力に関心を示すとは考えにくくなっています。このことから、アメリカがTPP環太平洋パートナーシップ協定を離脱しても、この貿易圏の崩壊にはつながっていないのです。