ジブラルタルが、米によるイランのタンカー差し押さえ要求を正式に拒否
ジブラルタル自治政府が、「イランのタンカー差し押さえというアメリカの要求は、EUの制裁とはかみ合わないため、実行不可能だ」と表明しました。
ファールス通信によりますと、ジブラルタル自治政府は18日日曜、イランのタンカー・グレース1(最近新名称アドリアーン・ダルヤーに変更)の拘束継続・差し押さえというアメリカの要求を拒否しました。
この報道によりますと、ジブラルタル自治政府の声明では、「アメリカによる当該タンカーの差し押さえ要求は、本質的にアメリカの制裁に関係しているが、こうした制裁は一方的なものでEU制裁に当てはまらないため、この要求には応じられない」としています。
グレース1は先月4日、200万バレル以上のイラン産原油を積載し、航行中だったところを、ジブラルタル海峡にてイギリス海兵隊により拿捕されました。
イギリス側は、このタンカーがシリアに原油を輸送しようとしていたとし、これがEUの対シリア制裁に違反すると主張していました。
イランは、こうしたイギリスの主張を否定し、「EU制裁は一方的なもので、イランはこの制裁に従う義務はない」と強調していました。
ジブラルタル最高裁は今月15日、米側からの差し押さえ要求を振り切って、イランタンカーの解放という判決を出しました。
しかし、米司法省はジブラルタル自治政府に対し、タンカー・グレース1の差し押さえとアメリカへの引渡しを要求しました。
ジブラルタル自治政治は、グレース1の解放後にこの問題を検討すると発表し、18日の声明において正式にこのアメリカの要求を拒否しています。
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