IMF、「ワクチン接種への支出は公的財政正常化への近道」
(last modified Thu, 08 Apr 2021 05:29:23 GMT )
4月 08, 2021 14:29 Asia/Tokyo
  • IMF国際通貨基金
    IMF国際通貨基金

IMF国際通貨基金が7日水曜、財政モニターを公表し、2021年は新型コロナウイルス感染拡大を受けて世界的に公的債務の拡大が継続するとの見方を示しました。

ロイター通信によりますと、IMFは、世界的にワクチン接種が一段と速く進み、より早い時期に感染拡大を収束させられれば、25年にかけて先進国で1兆ドルを超える追加的な税収が得られると試算し、世界的な総生産は25年にかけて9兆ドル増加するとの見方を示しました。

そして、一段の財政支出を実施し、ワクチン接種を加速化させることが、公的財政正常化への近道になるとの認識を示した。

IMFの推計によれば、パンデミック(世界的大流行)開始から今年3月17日までに各国政府が実施したパンデミック関連財政支出は総額16兆ドルとなります。ただし、パンデミック関連支援策の段階的な終了などに伴い、21年には大部分の国で財政赤字はやや縮小するとの見通しを示しました。

20年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は、先進国が平均11.7%と、19年の2.9%から急拡大しましたが、21年には10.4%に縮小するとし、新興国と低所得国についてもそれぞれ7.7%、4.9%に縮小すると予想しました。

また、世界的な公的債務の対GDP比率の平均は20年は97%でしたが、21年は99%と、これまでで最も高くなると予想。その後はこの水準近辺で安定化するとの見方を示しました。先進国の同比率は20年は120.1%でしたが、21年に122.5%とピークを付けると予想されています。

IMFは、マイノリティー(少数派)、女性、低賃金労働者などの脆弱な人々に的を絞った一段の支援策が必要と指摘し、中小企業を対象とした支援も拡大する必要があるとの認識を示しました。

さらに、高水準の債務を抱える一部の先進国は、将来的な衝撃に備えるために財政バッファーの構築を始める必要があるとも指摘し、気候変動対策や経済格差縮小などへの支出を優先しながら、歳入を増加させ、歳出を引き締める複数年にわたる枠組みを策定するよう呼び掛けました。

このような報告の一方、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは、新型コロナウイルスワクチンの買占めを理由に富裕国を非難しており、国連のグテーレス事務総長も、先進国と発展途上国の間でコロナワクチン調達をめぐる不平等について言及しています。

 

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