米ドル依存脱却に向けたロシアの新たな歩み
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ロシア連邦財務省がドル建て廃止を目指す中、声明を発表し、およそ650億ドルを含む同国の政府系ファンド「国民福祉基金」中のドル保有をゼロにし、それらを他通貨に切り替える旨を明らかにしました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
7月 11, 2021 15:49 Asia/Tokyo
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ロシア連邦財務省がドル建て廃止を目指す中、声明を発表し、およそ650億ドルを含む同国の政府系ファンド「国民福祉基金」中のドル保有をゼロにし、それらを他通貨に切り替える旨を明らかにしました。

シルアノフ・ロシア財務相はかなり前に、ロシアとして自国の政府系ファンド・国民福祉基金中35%を占める米ドルの保有をゼロにする意向を表明しています。

政府系ファンド「国民福祉基金」とは、ロシアの資産の一部を積み立てるために設立され、石油とガスの販売による収入の余剰分が貯蓄されており、政府が必要とする場合にはこのファンドから使用することになります。目下、この基金の保有残高は1,859億ドル相当となっています。

ドルへの依存を減らし、最終的にはゼロにするというロシアの新たな歩みは、ロシアに対する圧力行使の道具としての米国のドル悪用や制裁への対抗を目的としています。

米国は常に、主要な国際通貨としてのドルを、他国への圧力行使の一番の手段に用いてきました。

また、企業や銀行、国際金融システムの対ドル依存を、他国に自らの要求を呑ませる手段として繰り返し利用し、米国にとって不都合となる政策や行動に走らせないようはかってきました。

この問題は、アメリカに反対する国はもとより、アメリカに同盟するヨーロッパ諸国からも反発を引き起こしました。さらには、特に反米諸国や米のライバル国に対する通商、金融・経済面での圧力行使手段として今後ともドルを利用しよう、というアメリカに対抗する、国際的な潮流が次第に形成されることとなったのです。

金融専門家のAlasdair Macleod氏は、「米国はドルを武器として使用している。米国は、国際金融システムがまだドルの代替を持たないことを知っている故、この問題を悪用している」と語りました。

ロシアは、2014年のウクライナ危機以来、米国とEUによる大規模な制裁に悩まされており、しかもそれらはバイデン現大統領のもとで、さらに厳格化されています。

プーチン・ロシア大統領は先月、「アメリカが政治・経済戦争での手段としてドルを使用しているため、国際準備通貨としてのドルの地位が毀損されている」として警告しました。また、「複数の国際機関の算出・推計によれば、外貨準備通貨としてのドルの需要は、米国の同盟国を含む多くの国で減少の一途をたどっている」と強調しています。

元来;元々、国際決済における対ドル依存の減少は、米国の敵対的な行動に対するロシアの報復措置の1つでした。そして、このアアプローチが成功した主な理由の1つとして、2013年から2018年にかけてロシアと他の国との間でこれに関する多くの合意が成立したことが指摘できます。

この期間中、ロシアの対外貿易におけるドルの使用割合は3,880億ドル減少し、一方でユーロの割合は21.9%、即ち1,510億ドル相当の増加を示しました。

ロシアの輸出における外貨決済が構造上大きく変化したことから、この部門におけるドルの配分(割合)は15.5%減少した一方、ユーロの割合は90%増加して、ロシアの対外輸出全体の17.3%に相当する770億ドルに上昇しました。

ロシアは近年、国際舞台での米国の2大ライバル国の片割れである中国とともに、相互貿易の脱ドル化を急ピッチで進めており、この分野で大きな成功を収めています。

米国が他国を攻撃するためにドルを悪用すれば、同国は確かに短期間で見れば自らの目標を達成できるかもしれません。しかし、このやり方を長期間にわたって続ければ、アメリカにとっての損害になることは明らかです。旧来からのライバルである中国とロシアに加えて、他の一部の国も同様のパターンを踏襲して、経済・通商取引におけるドルの割合を減らし始めており、このことは長期的にはドルの世界的地位に確実に打撃を与えると思われます。

 

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