米・オーストリアが、米外交官の「ハバナ症候群」の調査を開始
米国務省のプライス報道官が、オーストリアの首都ウィーンに駐在する多くの米国外交官が未知の病気にかかった事実を認めるとともに、米国政府が謎の「攻撃」を調査していることを明らかにしました。
スペインのエフェ通信によりますと、プライス報道官は「我々は、他の機関のパートナーと協力して、駐ウィーン米大使館職員の間で発生した、説明のつかない健康事案に関する情報を積極的に調査中である」と述べています。
アメリカの雑誌ニューヨーカーは先週、「バイデン現大統領が就任して以来、ウィーン駐在の25人の米国外交官または当局者が、ハバナ症候群と同様の症状を伴うこれらの『攻撃』に絡まれている」と報じました。
これまでに発表されている情報によりますと、これらの症状のいくつかは、キューバ首都ハバナに拠点を置く外交官や諜報員らの間で2016年と2017年に最初に報告されたものと類似しています。
こうした事象は2016年後半にキューバで始まったとされていますが、米連邦政府は原因不明の症状を引き起こす原因や実行者の特定に苦慮しています。
また、エフェ通信によりますと、トランプ前米国大統領は2017年当時、これらの問題にキューバが関与したと非難していましたが、中国とワシントンでも同様の現象が見られています。
ハバナ症候群では、突然の目まいや吐き気、頭痛、突き刺すような指向性の騒音など、さまざまな症状や現象が報告されており、外傷性の脳損傷の診断や、頭痛の症状が続くこともあるということです。
ブリンケン米国務長官も、この問題の原因究明に向けた特別調査班の結成を明らかにし、「米国政府は、事件の兆候を報告するために、すべての外交スタッフに態勢を整えさせている」と語りました。
また、CNNがウィーンから伝えたところによりますと、オーストリア当局は20日火曜までに、首都ウィーンにいる米国の外交官が「ハバナ症候群」と呼ばれる原因不明の症状を経験しているとの報告について調査を行っていることを明らかにしました。
さらに、オーストリアの欧州・国際関係省は、こうした報告を真剣に受け止めているとし、「米当局と協力しており、オーストリアに派遣された外交官とその家族の安全は最優先事項だ」と述べています。
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