米体操の性的虐待事件、約430億円で和解成立
(last modified Tue, 14 Dec 2021 10:24:58 GMT )
12月 14, 2021 19:24 Asia/Tokyo

米国体操連盟の性的暴行事件をめぐり、米国体操連盟と米五輪委員会および両組織の保険会社による約431億円の支払いで和解が成立しました。

フランス通信が14日火曜、被害者側の弁護人の13日月曜の発表として報じたところによりますと、米国体操連盟(USA Gymnastics)の元チーム医師、ラリー・ナサール受刑者(58)が長年にわたり選手らに性的虐待を行っていた事件で、同連盟とUSOPC米国オリンピック・パラリンピック委員会ならびに両組織の保険会社が、総額3億8000万ドル(約431億円)を支払うことで和解が成立しました。

この金額は、性的虐待の被害者が受け取る和解金としては、過去最高レベルの額となりました。

ナサール受刑者の元勤務先であるミシガン州立大学も2018年に5億ドル(約567億円)の支払いで合意しており、和解金の総額は8億8000万ドル(約998億円)に上ることになった。

また、今回の合意内容には、虐待被害者の一人が米国体操連盟の理事に就任することも含まれています。

今回の和解により、スキャンダルの発覚から5年にわたって続いた法廷闘争が終結したことになります。

ナサール受刑者はスポーツドクターとして米国体操連盟やミシガン州立大学で20年以上にわたり勤務していた際、女子選手らに性的暴行を加えていました。

被害を訴えた女性の数は数百人に上り、その中には五輪金メダリストのシモーネ・バイルスをはじめ、元選手のアレクサンドラ・レイズマン氏やマッケイラ・マロニー氏らも含まれています。

2016年にナサール受刑者の性的暴行を初めて公にしたレイチェル・デンホランダーさんは今回の和解を歓迎し、ツイッターで「ようやく、この章が終了する。これで改革と再建の大仕事を始めることができる。正義が到来して変化が訪れるかどうかは、これからにかかっている」と語りました。

なお、ナサール受刑者は2017年から18年に行われた裁判で有罪を認め、現在は終身刑に服しています。

 

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