May 28, 2016 20:41 Asia/Tokyo
  • G7サミットの共同声明に対する中国の抗議

中国が、日本で開催されたG7・先進7カ国サミットにおける声明に抗議しました。

ヴァガーリー解説員

日本の伊勢志摩で開催された今回のサミットで、声明が発表され、東シナ海と南シナ海の安全問題について触れられました。この声明では、中国の名前を出すことなく、この地域における緊張に触れ、航行の自由が監視され、この問題が平和的に解決されるよう強調されています。

中国外務省の華春瑩報道官は、G7サミットの終了声明について、「このグループは他国に対する内政干渉を行っている」と語りました。華報道官はまた、「中国は自国の利益を監視するという他国の立場に抵抗する」と述べました。さらに、中国軍の南シナ海駐留により、航行の自由が脅かされているというG7首脳の主張を否定し、この疑惑は根拠がないとして、南シナ海に関する問題は地域諸国の問題であり、これは地域諸国自身によって解決が可能だと強調しました。

中国政府によれば、G7はその目的からはずれ、ほかの国の経済成長の促進よりも、他国に対する内政干渉の道具となったということです。このため、中国の王毅外務大臣は、G7の首脳に対して、もしG7が実際に世界経済の成長への促進を意図しているのであれば、地域問題に介入して緊張をあおるのではなく、G20・地域20カ国と協力して、アジアの経済発展を支援すべきだと述べました。

中国は南シナ海においてASEAN・東南アジア諸国連合の一部と対立し、また、東シナ海では日本と対立していることから、アメリカにとっては、日本やフィリピン、ベトナムとの防衛協力を拡大し、地域の軍事駐留を強化するための機会が整っています。アメリカは中国をけん制し、その経済成長を抑制することを追求しています。このため、アメリカは東アジアの軍備競争をあおり、中国に予算の重要な部分を割りあてさせているのです。一方、中国は常に、地域諸国間の対話による解決を強調し、アメリカに対し、南シナ海、東シナ海に対する干渉をやめるよう求めています。

G7の一員である日本も、サミット開催国として、アメリカとともに、このサミットが北朝鮮に反対する立場をとるように努めています。

北朝鮮の核・ミサイル実験に反対したG7への韓国の評価は、この会合が北朝鮮問題に関する韓国の要望をかなえているということを示しています。

こうした中、中国は、地域における軍事的傾向や西側の各国に対する制裁は失敗しており、アメリカは東アジアに対する干渉によって、単に地域の情勢不安をあおっているだけで、このため、東南アジア地域の情勢は緊張拡大と不安定化に向かっている、と考えています。アメリカはフィリピンにおける軍事基地の復活により、そしてベトナムとの軍事関係の拡大により、地域の軍事化を追求している様子を示しました。中国によれば、この政策はアメリカを中心とした日本、韓国などの通商同盟の利益にはならない、ということなのです。

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