ウクライナ兵がロシア捕虜兵を処刑
SNS上に投稿された動画から、ウクライナ兵の集団がロシア兵を捕虜とした後、手を縛った状態で殺害したことが明らかになりました。
イルナー通信によりますと、米ニューヨークタイムズ紙を含む複数のメディアにより本物と承認されたこの動画は、ウクライナの首都キエフ西部の村でロシア人捕虜が殺害された様子を示しています。
同紙は今月4日にオンラインで公開された、キエフ西部の村の近くでロシア兵捕虜を殺害するウクライナの兵士のグループが映っているこのビデオ動画の内容を検証し、その信憑性を確認したということです。
ニューヨークタイムズ紙によりますと、これらの動画では、ウクライナ兵が「(ロシア兵は)まだ生きている。これらの略奪者を撮影しろ、息をしているぞ」と言っているのが聞こえるということです。
映像の続きでは、また別の男が「見たところロシア兵は負傷しているが、まだ生きている」と語り、ウクライナ兵がロシア兵捕虜に2回発砲したものの、それでよしとはせず、ロシア兵の体が動いた後にさらに2発の銃弾を打ち込んでいました。
この動画は、キエフ近郊ブチャの町から10km離れたデミトリビカ村北部の道路で収録されたもので、両手を後ろで縛られた少なくとも他3人のロシア兵の死体が見られます。
ニューヨークタイムズ紙はこの動画について、その残忍な内容を詳細に説明したうえで、先月30日にキエフ郊外からロシア軍が撤退した際に兵士が待ち伏せされた可能性を示しています。
一方、米ホワイトハウスのジェン・サキ報道官はこの件に関し、映像は見たものの、それについての検証や報告はないと述べました。
ウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦の開始以来、ウクライナ兵が死体のわきでポーズをとる動画や、ウクライナ軍が拷問や殺害を行うという目撃証言がネット上に多く出現しており、今回の動画をニューヨークタイムズ紙が信憑性を確認したうえで報道したにもかかわらず、米国政権がこれに反応を示さなかった事実について、アナトーリイ・アントーノフ駐米ロシア大使は、ウクライナ紛争に対して米国が偏向を持つことを示していると指摘しました。
また「4月6日付のニューヨーク・タイムズ紙が、ウクライナ人兵士がロシア人捕虜を冷酷に殺害している映像を公開し、その信憑性を確証した記事に注目した...(中略)指標となるのは映像の真偽が確認できないことを理由にした米国当局の無関心な反応である。このようなやり方は、ウクライナ紛争に対する米国の偏向に満ちた態度を証拠づけている」と述べています。
さらに、ニューヨークタイムズ紙がこの動画を公開したにもかかわらず、これが米国で広く報じられなかった事実は不可解との見解を示しました。
これに先立って最近、ブチャで殺害された民間人の遺体の画像が公開されたことから、ロシアに対して戦争犯罪疑惑が提示されました。
西側のメディアは、ロシア軍がキエフからの撤退時に民間人に発砲したと主張していますが、ロシア大統領府は、ブチャでの民間人殺害への関与を断固として否定しています。