チョムスキー氏、「米はウクライナ・ロシア間の緊張削減を望んでない」
アメリカの著名な思想家・研究者のノーム・チョムスキー氏が、ある米メディアとのインタビューで「米国の対ロシア政策はウクライナでの緊張削減を阻害する」としました。
今年2月24日に始まったロシアの対ウクライナ戦争は、現在6週目を迎えています。
イルナー通信によりますと、世界で最も有名な知識人の1人として知られるチョムスキー氏は、「米国は2015年以降、ロシアに対しウクライナを武装化して訓練を施し、同国をNATO北大西洋条約機構の支部のひとつか付随するもののように扱っている。このような姿勢は、2021年9月のバイデン米大統領の公式声明において明確な政策へと変わり、おそらくそれが、ウクライナでの緊張増大に対するロシアの決意に影響を与え、数ヵ月後の同国の対ウクライナ直接攻撃につながった」と指摘しました。
チョムスキー氏は現在のアメリカ政策について、それがウクライナ国民が最後の1人になるまで戦うというものであり、同国でのさらなる悲劇を阻止するための道を同時には視野に入れていないと評価しています。
同氏の説明では、米政策がロシアのプーチン大統領に対し、今回の窮地を脱するのに国際司法裁判所での戦争犯罪者としての裁判か、ウクライナの完全崩壊まで今の状況を続けるかの2つの道のみを設けることで、事実上、これ以上の悲劇を防ぐ望みを小さくさせているということです。
さらに、ロシアと中国の戦略的関係について、「この関係は、協力のレベルに達しないまでも強化されてより堅固になるように見られる」と述べました。
そして、中国政府がウクライナ戦争の収束を助ける可能性について、「中国は、ウクライナでの協議を通じた平和的展望を進めるために行動を取ることができる。しかし、どうやら中国政府は、そのような行動が自国に有利に働くと考えてはいないようだ」としました。