May 31, 2022 20:03 Asia/Tokyo

WHO世界保健機関が、たばこ産業が世界最大規模の環境汚染を行っていると非難しました。

フランス通信が31日火曜、報じたところによりますと、WHOは、「たばこは膨大なごみを発生させ、温暖化を加速させるなど、多くの人が考えるよりもはるかに大きな脅威となっている」としています。

実際、たばこ産業は大規模な森林伐採を引き起こしているほか、貧困国で必要とされる土地と水を食料生産以外に使用し、プラスチックや化学廃棄物を出し、何千万トンもの二酸化炭素(CO2)を排出しています。

WHOは「世界禁煙デー」に合わせ公表した報告書で、業界に責任を負わせ、浄化のための費用を負担させるべきだと提言しています。

WHOのヘルスプロモーション部門責任者リュディガー・クレッチ氏は、報告書の内容は「極めて衝撃的だ」と指摘し、たばこ産業が知る限りで最大規模の汚染を行っていると非難しました。

この報告書によりますと、たばこ産業のために毎年約6億本の木が伐採されている上、タバコの葉の生産と製品製造のため毎年20万ヘクタールの土地と220億トンの水が使用されており、しかもCO2排出量は約8400万トンに上るということです。

さらに、毎年、推定4兆5000億本の吸い殻が海や川に流入し、浜辺や歩道に残される、とされています。

たばこの製造・輸送で排出される温室効果ガスは、航空業界全体の排出量の5分の1に相当し、世界の排出量の大きな割合を占めています。

たばこには7000種類以上の有害な化学成分が含まれ、吸い殻一つで100リットルの水を汚染するほか、紙巻きたばこのフィルターは、マイクロプラスチックになるということです。

WHOはまた、紙巻きたばこ、無煙たばこ、電子たばこなどの製品が、世界のプラごみ増加の大きな要因となっていると指摘しました。

報告書ではさらに、吸い殻の清掃に世界中で多額の税金が使われていると指摘され、清掃費用は毎年、中国では26億ドル(約3300億円)、インドでは7億ドル(約980億円)、ブラジルとドイツではそれぞれ2億ドル(約255億円)に上ることが判明しています。

 


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