ペトロチャイナとシノペック、ロシア産ウラル原油の輸入再開
2月 16, 2023 15:30 Asia/Tokyo
中国の製油最大手・中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)と中国石油化工(シノペック)は、割安なロシア産ウラル原油の調達を再開しました。
ロイター通信が業界筋の話として報じたところによりますと、両社はEUがロシア産原油の輸入禁止を開始した直前の2022年後半に、一時購入を停止していました。
ペトロチャイナとシノペックは、大幅な割引価格で貿易会社からロシア産原油を購入するため、本社から許可を取得していました。
これにより、割安価格なため製油会社が負担するコストが大幅に削減される上に、製油マージンを拡大できることになります。
貿易筋の話とリフィニティブおよびケプラーの船舶追跡データによると、ペトロチャイナは今月後半に、広西チワン族自治区欽州市にある製油所(日量処理能力20万バレル)で、2隻のアフラマックス船に積載した約150万バレルのウラル原油を受け入れることになっています。
同製油所がウラル原油を最後に輸入したのは昨年10月と11月で、両月とも73万バレルでした。
事情に詳しい5人の関係筋によれば、アジア最大の製油会社シノペックの貿易部門である中国国際石油化工・ユニペックも輸入を再開する見通しです。
3月積みウラル原油は、欧州産主要銘柄・北海ブレントに対し、仕向港着船渡し条件(DES)ベースで約13ドル割り引いた価格で取引されています。
中国企業のこうした動きは、昨年2月末のウクライナ戦争を理由に、日本などG7がロシア産原油価格に上限を設定するなど、ロシアに各種制裁を行使している中でのことです。