米が韓国へ原潜派遣、朝鮮半島の軍事化加速
米韓による「ワシントン宣言」が物議をかもす中、この合意の最初の結果としてアメリカの原子力潜水艦が韓国に派遣されました。
ユン・ソクヨル韓国大統領は去る4月30日、1週間にわたるアメリカ訪問を終了しました。今回の訪米の主な理由については、いわゆる「北朝鮮の脅威」に対する抑止力を強化することだと説明されていました。今回の訪米でユン大統領が持ち帰った成果は、この分野での対米合意です。しかし、「ワシントン宣言」と称する文書で先月26日に発表されたこの合意は、韓国内外において、核兵器や朝鮮半島地域における軍国主義の加速化に反対する人々の非難や抗議に直面しました。複数のニュース報道はすでに、この合意による最初の悪い結果を伝えています。
韓国ヨンハプ通信が3日水曜、報じたところによりますと、核兵器を搭載できるアメリカの戦略ミサイル原艦は現在、ワシントン宣言の実施という枠組みの中で韓国南岸に向かっています。
米国防総省のパット・ライダー報道官は、韓国に派遣された潜水艦が核兵器を搭載しているかどうかに関する記者団の質問には直接回答を避け、「これはSNLE級の潜水艦である」と語りました。
また、アメリカの潜水艦が韓国海岸に到着する正確な日時の公表を控えるとともに、「韓国に派遣予定の潜水艦についての情報は、型・等級以外公表許可が下りていない」と述べました。
特筆すべきことは、韓国への戦略装備の送付と、NCG核協議班という新しい作業部会の開設も、この声明に含まれる決定事項の1つになっている点です。これは、朝鮮半島で核措置を即時実行できるよう米国に便宜を図ることを意味します。
批評家は米韓首脳による合意を、「朝鮮半島、極東アジア、さらには世界における新たな冷戦の促進役を、韓国に担わせている」と評しています。
また一部の評論家は、先日のワシントン宣言を、韓国の弱体化の兆候と、アメリカの過激派に対する韓国大統領の完全服従を示すものだと見ています。
韓国は北朝鮮の脅威についての懸念を表明していますが、対して北朝鮮は自国の軍事力増強の理由として、アメリカおよび、これに追従する韓国や日本などの国の挑発行動を挙げています。
北朝鮮は、これらの挑発行動を、朝鮮半島における軍国主義、軍拡競争、情勢不安の激化の元凶だと考えています。しかし、これらの警告にもかかわらず、アメリカと韓国は地域での合同軍事演習を続行しています。