駐中国米記者のビザ更新が遅滞　駐米メディアへの規制に対抗か

9月 07, 2020 14:34 Asia/Tokyo

中国に駐在する米大手メディア記者らのビザ更新手続きが滞っていることが分かりました。

ＣＮＮＢｕｓｉｎｅｓｓが北京から報じたところによりますと、米中間では最近、互いのメディアに対する規制強化の動きが目立っています。

中国ではここ１週間のうちに、記者証の更新を申請した複数の外国人記者らが「処理継続中」との書簡を受け取ったということです。記者の身分を証明するためには、期限切れの記者証とともにこの書簡を持ち歩く必要があります。

通常の更新手続きでは新たに１年間の記者証が出され、これに基づいて１年ビザが発給されてきました。しかし今回は、新たなビザの有効期間が２カ月に限定されています。

この措置の対象にはＣＮＮや米紙ウォールストリート・ジャーナルなど、複数の米大手メディアが含まれており、本人が米国籍を持つ場合も、そうでない場合もあります。

中国当局は記者証代わりの書簡と新たなビザをいつでも取り消せるとしているため、記者らは中国にいつまで滞在できるか分からない状態です。

ＣＮＮのデービッド・カルバー記者は中国当局者から、同氏自身が報道した内容とは関係なく、トランプ米政権が駐米中国メディアへの規制を強化していることに対抗する措置だとの説明を受けたということです。

米国務省の報道官は６日日曜、中国側からこの措置について事前連絡があったことを明らかにしたうえで、中国が独立したメディアによる調査報道を恐れていることを示す一例だと述べました。

米当局は今年５月、中国人記者へのビザの有効期間を９０日に制限しました。中国側によると、記者らはビザ延長を申請したものの、当局からの連絡はなく、仕事や生活に大きな支障が出ているとしています。延長が認められなければ、記者らは１１月初めまでに出国を強いられることになります。

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。