沖縄・米軍辺野古移設の代執行訴訟が開始、玉城知事;「国の手法は強引」
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐる代執行訴訟が開始されました。
日本の報道各社によりますと、この問題について地盤の改良工事を認めない沖縄県に代わり、国が承認して工事を進めるための代執行裁判の第1回弁論が30日月曜、福岡高裁那覇支部で行われ、沖縄県の玉城デニー知事も出廷して県側の主張を訴えました。
NHKなどによりますと、国側は弁論で「普天間基地の危険性の除去は公益として軽視できない」としたうえで、県側が「申請から3年半が経過し最高裁の司法判断で確定しているのにも関わらず承認していない」と主張し、国の代執行を認めるよう求めました。
一方、県側は玉城知事が出廷して意見陳述し、「民意こそが公益だ」として、県の自主性を侵害する国の代執行は容認できないと主張しました。
玉城知事はまた、「代執行に至る前に対話を尽くさなければならないのに国は協議せず、強引な手法をとった。辺野古移設は、仮に承認しても12年かかるうえに、難しい工事などでさらに送れる可能性もあり、早急な危険除去にはつながらない」と述べています。
これまで、住宅街に隣接し「世界一危険」といわれる普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、移設が危険性を除去するための「唯一の解決策」とする日本政府側(国)と、それでは根本的な解決にならないと主張する沖縄県が、長年にわたり対立してきました。
辺野古移設をめぐっては去る9月、計画変更を承認するよう国が求めた「是正指示」は違法だとして県が起こした裁判で、県側の敗訴が最高裁で確定しました。
国は県に対して「承認指示」を出しましたが、玉城知事が承認しなかったため、国は事実上の工事強行を可能とする「代執行」に向け今月初旬に提訴していました。