クラシック音楽界で快挙・ロシアでイラン人指揮者のコンサートが延長継続
ロシア・サンクトペテルブルクで実施されていたイラン人指揮者によるコンサートが、ロシア人聴衆の間で人気を博したことから、同氏に対し次の予定地であるオーストリア・ウィーンへの渡航をキャンセルし、別のコンサートを開催するよう正式な要請まで出されています。
イルナー通信によりますと、ロシアの著名な指揮者ヴァレリー・ゲルギエフ氏の招聘により、サンクトペテルブルクにあるマリンスキー劇場で今月8日、イラン人指揮者アリー・ラフバリー氏の指揮によるコンサートが実施されました。
このコンサートでは、ラフバリー氏の指揮によりロシアの著名な作曲家リムスキー・コルサコフ作曲の「シェヘラザード」および、ショスタコービッチ作曲の交響曲第5番が演奏されています。
このコンサートは、ロシアの全国放送で収録・放映され、ロシア人視聴者やゲルギエフ氏、オーケストラの団員らから大きな注目を集めました。
このため、ラフバリー氏に対しては正式に次の予定地であるウィーン行きの便をキャンセルして、今月14日にほかの曲目のコンサート実施が要請されたということです。
オーケストラの責任者らは、ラフバリー氏のコンサート再実施のため、以前の計画をすべて取りやめ、もしくは変更しました。
クラシック界、特に1日に複数のコンサートやオペラが実施されるマリンスキー劇場でのこの出来事は、これらの演目が数年前から計画されているがゆえに、異例のこととされています。
このため、世界的な指揮者として活躍するラフバリー氏は今月14日、再びコンサートを開催し、今回はチャイコフスキーの曲を指揮することになっています。
これについて、ラフバリー氏は「自分にとって、チャイコフスキーが音楽学校時代を過ごし、そこで自らの曲を演じ、しかも生涯を閉じた地にて彼の作品を指揮できるのは、自分にとっては夢だった」と語りました。