6月 18, 2016 20:00 Asia/Tokyo
  • アメリカのサウジアラビア高官との会談とイランへの敵対

アメリカのロイス下院外交委員長が、ルー財務長官への書簡の中で、資金洗浄・テロ資金供与のハイリスク・非協力国リストにイランの名を残すよう求めました。

アミーンザーデ解説員

ロイス委員長は、17日金曜、この書簡の中で、「イランは、このリストから除外されるために、金融活動作業部会を説得しようとしている」と主張しました。また、「イランは今もテロリストを支援し、暴力の資金確保のために違法な財政活動を続けている」としました。

ロイス委員長はまた、レバノンのシーア派組織ヒズボッラーを、イランの目的のために活動するテロ組織と呼び、「アメリカ国務省のテロに関する最新の報告では、イランが、ガザのパレスチナ人のテログループ、イラクや中東全体の様々なテログループへの支援を続けているとされている」と語りました。

このような発言、そしてイランのイメージを壊そうとするアメリカ政府高官の態度の一方で、サウジアラビアのムハンマド副皇太子も、最近のアメリカ訪問の際、これに同調する発言を行い、イランへの圧力の強化を求めました。

アメリカ政府は声明を発表し、「サウジ副皇太子とオバマ大統領は、イランの情勢を悪化させる活動について話し合い、アメリカとサウジアラビアの戦略的な協力を強調した」としました。

こうした中、サウジアラビアのジュベイル外務大臣も、記者会見で、イランに対するサウジアラビアの立場について、「イランは今も、地域諸国の内政に干渉している」と主張しました。さらに、「イランは、地域諸国との関係正常化を望むのであれば、イランの憲法にある革命の輸出の原則を捨てるべきだ」と述べました。また、「イランは革命当初からテロを支援してきた。実際、全ての敵対はイランからのものであった」と主張しました。

このような世論を惑わす主張は、9.11同時多発テロ事件後の2002年に発表された報告により、サウジアラビアがこの事件に深く関与したとされている中で行われています。そのため、9.11に関する報告のうち、サウジの関与を示す28ページが削除されました。

アメリカが、資金洗浄・テロ資金供与のハイリスク・非協力国リストにイランの名を残そうとしている中で、同国の議会では、イランでのテロ活動のための予算が可決され、政府は公然と、イランの反体制派テロ組織モナーフェギンを支持しています。モナーフェギンやその他のイランの反体制派グループは、アメリカに拠点を持ち、自由に活動を行っています。一方で、イランは、1万7000人の殉教者を出し、アメリカやサウジアラビアなどの支援を受けたテロリストによる攻撃の最大の犠牲国となっています。

アメリカは、テログループに資金や武器を供与し、彼らを道具として利用しています。また、1953年のイランでのクーデターなど、これまで、他国での数々のクーデターを計画してきました。

アメリカとサウジアラビアの同調は、実際、事実を捻じ曲げたものであり、両国の政府が、互いに対立を抱えていると言われながらも表裏一体であり、シオニスト政権イスラエルとの調整、対立の扇動、地域でのイラン恐怖症の拡大といった共通の利益を追求していることを示しているのです。

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