11月 27, 2022 23:14 Asia/Tokyo

イラン人研究者らがこのほど、「遺伝子治療」法を使用して、国内で初めて血液のがんの治療に成功しました。

遺伝子治療は、ヒトの細胞内の遺伝子命令を活性化する病気を治療・予防する方法です。遺伝子は、実際には細胞の生命のすべての側面の具現であり、それらは細胞の成長、機能、分裂を可能にするコードを持っています。

イラン国内での初めての成功例となるCAR_T細胞法を使用した遺伝子治療は、テヘラン医科大学付属の小児医療センター病院で行われました。今回の患者は白血病の5歳の男の子で、過去に3 回の再発歴があり、従来の化学療法では治療効果が上がりませんでした。2 か月以上の CAR_T 細胞注射の後、この男児は良好な臨床状態にあり、骨髄血に悪性細胞が存在していないことがわかっています。

 イランでのこの新しい成果を挙げるまでには、ほぼ7年の歳月を要しました。骨髄移植がうまくいかなかった血液がん患者は、遺伝子治療で70%の確率で回復します。これまで、遺伝子治療によるがん治療を独占していた多国籍企業は2社だけでした。このため、イランの科学者がこの治療法を使用して成功したことは、近年の治療と予防の分野における最も重要な成果の 1 つと見なされています。

実際、過去40年間のイランの科学的成長と繁栄は万人にとって明らかなものです。産業、軍事、科学分野におけるイランの進歩を見ても、敵が全面的な圧力行使によってもイランの権力要素を封じ込められなかったことが分かります。

1979年のイスラム革命後、イランは外国に依存した関係からの脱却に進むことができました。現在、イランは制裁下にありながらもGDP国内総生産の増加や、工業、原子力、航空宇宙、科学の発展など、複数の分野での高い経済指標に到達しており、これはイランの進歩発展と成功を物語るものです。

イランは特に、ES細胞の技術・研究の分野で世界の上位 10 か国の1つと見なされており、同国の研究者は脳や骨や皮膚の移植、心臓の組織の修復においてもヒトES細胞の使用に成功しました。また、イラン中部イスファハーンにあるルーヤーン研究所では、ES細胞のクローン製造が行われています。

現在、イランの大学の840人の科学者が世界の上位 1%の優秀な科学者のリストに名を連ねており、さらに約1,800人のイラン人科学者も国際的な科学者の上位2%にランクインしています。さらに、「イランの世界における科学、技術、イノベーションの場所(Nama)」システムのデータからは、「引用件数の多い研究者」のインデックスに含まれるイラン人研究者の数が、2021 年に8人から15人に増加したことが判明しています。また「グローバル・イノベーション・インデックス」におけるイランの世界的地位も向上し、2020年には67位、2021年にはさらに順位を上げて60位となりました。

イランにおけるイスラム革命の勝利が、政治・国際的な影響を与えただけでなく、多くの経済的、技術的、市民的成果をもたらしたことは、もはら明らかな事実です。その最新の例としてコロナワクチン、ES細胞のクローン製造、がん治療のための遺伝子治療の使用をあげることができます。

イランのデフガーニー学術担当副大統領は、これについて、「遺伝子治療は、国家にとって1000%の付加価値をもたらす」としました。

 


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