イラン最高指導者、「安全かく乱する者からイラクを守る」
-
イランイスラム革命最高指導者のアリー・ハーメネイー師、スダニ・イラク首相とライースィー・イラン大統領
イランイスラム革命最高指導者のアリー・ハーメネイー師が、「我々は、安全をかく乱する者たちからイラクを守る」と語りました。
ハーメネイー師は29日火曜、イランを訪問中のスダニ・イラク首相と会談し、「イラクが進歩発展しその実際あるべき高い位置づけに達することは、イランの利益になる」と強調しました。
また、「イラクは、天然資源や人材面、さらに文化、文明、歴史的な経歴から、西アジア地域のアラブ諸国の中で最高位にある」とし、「しかし残念ながら、このような経歴を持つにもかかわらず、イラクは未だにその真にあるべき高い位置づけにない」と述べました。
そして、「もっともイラクの発展には、表向きには対立を宣言しないであろう敵対者が待ち受けている。同国は、テロ組織ISISによる大きく致命的な危機という試練を乗り越えた若者や、意欲あふれる軍、そして国民に依拠した上で、敵の思惑に断固とした対処を取る必要がある」と語っています。
さらに、「我が国は憲法に基づき、いずれの勢力や国にも、イランの安全かく乱を目的としたイラク領土の利用を許さない」としたスダニ首相の発言に触れ、「残念ながら現在、イラクの一部地域でこうした事象が発生している。その唯一の解決策は、イラク中央政府が自らの力をその問題が起きている地域にも広げることである」と述べました。
続けて、「いずれの国や勢力がイラクの治安かく乱を目論んだとしても、我々がその勢力に立ち向かい、イラクを守る盾となるだろう。イラクの安全は、イランの安全である。同様に、イランの安全もイラクの安全に影響を与える」と強調しています。
ライースィー・イラン大統領も同席したこの会談では、スダニ首相も両国の歴史・戦略的な関係に触れ、「イラン・イラクが互いに寄り添っていることの明白な例は、両国民の血が1つの同じ塹壕で流された対ISIS戦争である」と述べました。
そして、テロ攻撃により殉教したイランイスラム革命ゴッツ部隊司令官の故ソレイマーニー将軍および、イラク民兵組織のアルムハンディス司令官を追慕し、この2人の偉大なる殉教者は両国民が寄り添っているもう1つの証しだとしています。
スダニ首相はまた、対イラン経済関係の拡大に対するイラク新政府の意思と決意にも触れ、「両国の安全保障は互いに切っても切り離せないものである。我々は憲法に基づき、いずれの国や勢力にも、治安かく乱を目的としたわが国の領土の利用を許さないだろう」と語りました。