視点
上海協力機構事務総長のイラン訪問
SCO上海協力機構の張明事務局長が、イラン政府関係者との会談のため、同国首都テヘランを訪問しました。
張明事務局長は今月6日、イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相と、そして7日火曜にはライースィー大統領と会談しています。
SCO上海協力機構は、カザフスタン、中国、キルギス、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンの6ヶ国によって、2001年6月15日に中国・上海で設立されました。現在、この地域的組織は創設6ヶ国のほか、インド、パキスタン、イランも加盟しており、このほかにアフガニスタン、モンゴル、ベラルーシがオブザーバーとなっています。
イランのSCO加盟は、アジア重視すなわち、「ルック・イースト」という戦略及び、地域・地域外の組織への積極的な参加というイランの外交政策の一部とみなされています。
イランは特に経済分野で、ロシア、中国、インドなどの大国の存在によるSCOの可能性から利益を得ることができます。同時に、この組織の他の加盟国もイランの能力・可能性を活かすことができます。この点に関して、イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、SCO事務局長との会談で「わが国は技術、産業、観光、文化などの分野において、SCOの目標達成のために提供できる多くの可能性や能力を有している」と語りました。
イランの当局者が強調するSCOの重要な特徴は、この組織が地域・国際的な方式、特に世界レベルでの多国間主義において役割を果たす能力があることです。SCOは、その加盟国が膨大な人口と人材、豊富な資源に恵まれ、広大な国土面積を有し、またロシアや中国など国連安保理で拒否権を持つ国が加盟していることから、一極主義への効果的な対処や地域・国際的な同調を生み出す上で大きな役割を果たしています。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はこれについて、「我々は、この組織が新しい国際経済と安全保障の取り決めにおいて重要な役割を果たせると信じている」とコメントしました。また、張明SCO事務局長もこれに関して、「地域および世界で強力かつ影響力のある国の1つであるイランの加盟が、この組織の目標を実現し、イランと当組織加盟国との関係を発展させる上で重要なステップになることは確実である」と語っています。