イラン系作家が、2023年ピューリッツァー文学賞戯曲部門を受賞
2023年度ピューリッツァー文学賞のフィクション・歴史・詩・伝記・戯曲・回想録・一般ノンフィクションの各部門受賞者が発表され、戯曲部門にイラン系作家が選ばれました。
イラン系アメリカ人であるサーナーズ・トゥースィー(Sanaz Toossi)氏は、今回「English」によってピューリッツァー文学賞戯曲部門を受賞しました。
この戯曲は、ある英語のテストに向けて勉強しているイランの大人4人を描いたものです。
一方、フィクション部門は、バーバラ・キングソルヴァー(Barbara Kingsolver)氏の「Demon Copperhead」とハーマン・ディアズ(Hernan Diaz)氏の「Trust」の2作品が受賞しました。「Demon Copperhead」は、チャールズ・ディケンズの長編小説「デイヴィッド・コパフィールド(David Copperfield)」へのオマージュであり、「Trust」は、家族、野心、富といったテーマを様々な形で表現した作品です。
歴史部門では、ジェファーソン・コーヴィー(Jefferson Cowie)氏の「Freedom's Dominion: A Saga of White Resistance to Federal Power」が選ばれました。この作品では、白人が自分たちの地位を固めていく道程が、反政府思想と人種差別思想との間の関係を調べながら辿られています。
伝記部門では、FBI米連邦捜査局の初代長官であるジョン・エドガー・フーヴァー氏の生涯を追ったビヴァリー・ゲージ(Beverly Gage)氏の「G-Man: J. Edgar Hoover and the Making of the American Century」が受賞しました。
回想録部門では許華(Hua Hsu)氏の「Stay True」が、また、詩部門ではカール・フィリップス(Carl Phillips)氏の「Then the War: And Selected Poems, 2007-2020」が選ばれました。
一般ノンフィクション部門では、ジョージ・フロイド氏の殺害事件を扱ったロバート・サミュエルズ(Robert Samuels)氏とトルーズ・オロルンニパ(Toluse Olorunnipa)氏の共著の「His Name Is George Floyd: One Man's Life and the Struggle for Racial Justice」が受賞しました。