イラン最高指導者、「西側の核兵器という口実は偽り」
イラン・イスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、原子力産業は国の進歩と人々の生活改善の点で重要なものであると強調しました。
ハーメネイー師は11日日曜、テヘランで行われたイラン原子力産業見本展を訪れました。
同師はこの展示会の視察後に行った原子力産業の関係者、科学者、専門家らとの会談において、「原子力産業は、その政治的重要度から国際レベルで国へ威信を与えるほか、国民の生活をより良いものにする」と強調しました。
一方で核協議について、「協議相手である各国の政府やIAEA国際原子力機関は、自分たちの約束を守らず、我々は彼らの言葉が信頼に値しないことを理解した」と説明しました。
また、「一国の進歩にとって原子力産業が鍵となることを知る敵は、20年間にわたって我々のために、核という問題を作り続けてきた」と述べました。
その上で、「(西側が持ち出しているイランの)核兵器(計画)という口実は偽りであり、彼ら自身も、我々がイスラムという基盤のためにその方向へ進もうとしていないことを知っている。もしそうでなければ、(彼らがそのような計画を)止めることはできなかっただろう。同様に彼らは、これまでの我々の核開発を止めることもできなかった」と強調しました。
今回の展示では、医学、製薬、工業、農業・食品、エネルギー・水・電力製造、地質学などといった分野におけるイランの原子力産業の成果が披露されています。
また、イランの科学者による「核燃料サイクルにおける技術・知識の国内化」の獲得も、今回の展示会の重要な一部となっています。
放射性同位体のテルル130(130Te)は、原子力産業において科学者らが挙げた成果の1つであり、20台の遠心分離機のカスケードを設計・製造・操作することによって得られました。
この同位体は、放射性医薬品の原料製造やがんなどの診断を中心とした医療や製薬分野でも広く使用されています。イランの科学者らはこれまでに、核の知識を活用することで50種類以上の診断用、緩和ケア用、治療用の放射性医薬品製造に成功てきました。
さらに、イラン南部・北部沿岸での小規模発電所建設やブーシェフルの淡水化施設建設も、水・エネルギー分野での原子力知識活用成果のひとつに挙げられます。
加えて、食料安全保障や農業、環境保護といった分野でも、国内化された核の知識は重要な役割を果たしています。