6月 28, 2023 20:51 Asia/Tokyo
  • アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相
    アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相

アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、同国北西部サルダシュトへの化学爆弾投下記念日に際し、「化学兵器による負傷者向けの医薬品に対する制裁は、人類に対する最悪の犯罪例の1つである」と語りました。

1987年6月28日、当時のイラクのバアス党政権はイラン北西部・西アーザルバーイジャーン州サルダシュト市の4つの人口密集地帯に化学爆弾を投下しました。この攻撃では民間人119名が殉教したほか、8,000名以上が有毒ガスにさらされて化学兵器による傷害を負いました。

これにちなんで28日水曜、イラン外務省にてアミールアブドッラーヒヤーン外相のメッセージとともに、イラクの旧サッダーム政権によるサルダシュト市への化学兵器攻撃の犠牲者を追悼する式典が開催されました。

アミールアブドッラーヒヤーン外相はサルダシュトへの化学爆弾投下から36周年を迎えるにあたり、化学兵器による殉教者全員に追悼の意を表するとともに、「我が国に対する化学兵器使用犯罪のあまり知られていない側面の一つは、特に女性や罪のない子供をはじめとした、防衛手段を持たない民間人やに対する化学兵器の広範な使用である。これにより数千人が殉教したほか、数万人が身体に障害を負った。彼らは今も苦痛にさらされ、その影響で昼夜を問わず苦しみにあえぎながら過ごしている」としています。

また、「イランは、現代史上最大の化学兵器の広範かつ組織的な使用による害国として、全世界におけるあらゆる人物や集団組織による一切の状況下での化学兵器使用を非難する一方、化学兵器のない世界の実現に向けた決意を改めて表明する」と述べました 。

さらに、「今日、化学兵器禁止条約の掲げる目標の完全な実現の有無は、アメリカの化学兵器の完全な廃棄並びに、シオニスト政権イスラエルのこの条約への無条件の即時加盟、そして特に平和目的での化学物質の使用における国際協力の発展の分野でのこの条約の差別のない有効な実施に大きくかかっている」としています。

加えて、OPCW化学兵器禁止機関のフェルナンド・アリアス事務局長も、この式典へのメッセージの中で「これらの攻撃の影響を受け、その後遺症に苦しむすべての人々の痛みと苦しみの余韻は、常に我々とともにある」と述べました。

そして、サルダシュト市民への化学兵器攻撃により、サルダシュトの人々に起こった他の犯罪も過去のものとなる、より安全かつ公平な世界の実現に向けたすべての国の取り組みが強化されるよう希望する」とコメントしています。

 


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